中小企業支援 緊急事態で力尽きる前に

 新型コロナウイルスの感染拡大で政府の緊急事態宣言が延長され、経済活動の収縮はさらに続くことになった。企業経営に深刻な影響が出ており、大企業に比べ経営基盤が弱い中小企業や小規模事業者が特に心配だ。今の状況が長引けば力尽きる中小企業が相次ぐ恐れもある。

 国内の企業の99%以上は中小企業であり、そこで働く人が雇用全体の約7割を占める。暮らしを守り地域経済を支える観点からも、中小企業支援に国や自治体が全力を注ぐ必要がある。

 新型コロナ関連で経営破綻した企業は全国で既に100社を超えたという。外出自粛で客が消えた宿泊業や飲食業、休校で給食がなくなった食品製造業、挙式延期で事業継続が困難になった結婚式場など、地域や業種を問わない。

 緊急事態宣言延長で今後、苦境に陥る中小企業が増えるのは避けられない。ここに十分な救いの手を差し伸べなければ、政府が描く事態収束後の「経済のV字回復」など絵に描いた餅に終わるだろう。

 まず求められるのは資金繰りの支援だ。政府は事業規模117兆円の緊急経済対策で無利子・無担保融資の拡充などの支援策を打ち出した。日銀も4月27日の金融政策決定会合で、中小企業向け融資の原資を金融機関にゼロ金利で貸す制度を拡充し、政府と足並みをそろえた。

 経済産業省のホームページにさまざまな支援メニューが並んでいるが、申請や相談が殺到し対応が追い付かない状況だ。無利子・無担保融資の扱いを地方銀行に拡大するなど政府も手は打っている。ここはさらなるスピードアップを求めたい。

 緊急経済対策の目玉の一つに収入が半減した場合の持続化給付金もある。農家や作家、俳優業なども対象で、法人には上限200万円、個人は同100万円が給付される。ただ、従業員を抱える中小企業の資金繰りを支えるには力不足の金額と言わざるを得ない。休業手当を出した企業への雇用調整助成金も、日額8330円の上限の見直しを早期に実現すべきだ。

 休業中でも店舗や事業所の家賃などの固定費負担はなくならない。日々の売り上げを仕入れに回す飲食サービス業などは手元資金の蓄えが十分ではない。2020年度補正予算の国会審議でも中小企業の家賃支援を求める声が与野党から出た。

 行政の要請に応じて休業や営業時間を短縮した事業者を対象に、家賃の一部を補助するといった独自支援策を取る自治体も出ている。政府も家賃対策を早急に検討すべきだ。それが中小企業支援を惜しまないという力強いメッセージになる。

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