軍手が「手マスク」に進化 抗ウイルスの銀糸使用、ネットで受注生産

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、軍手を長年生産しているイナバ(福岡県久留米市)が「手袋を作り続けてきたからこそできることを」と新商品を開発した。抗菌・抗ウイルス効果のある銀糸を編み込んだ手袋「TEMASK(手マスク)」で、4月からクラウドファンディング(CF)サイト「Makuake」で受注生産している。

 サイトでの「応援購入」は4月23日の開始直後に目標の20万円に到達。7日現在、700万円を超え反響を呼んでいる。「こんなに早く達成できるとは。より良い品にする開発費に充てたい」と取締役の稲葉雄大さん(34)は意気込む。

 開発は3月に開始。「通勤や買い物で不特定多数の人が触るものからの感染を防ぎたかった」。CFは市内のデザイン企画会社サンカクキカクに相談した。

 当初は抗菌糸を使おうと考えたが「品薄で、抗菌剤も次第に剥がれる」ため、銀メッキ加工の銀糸を選んだ。以前、はめたままスマートフォンを使える手袋を作るために導入した、銀糸と綿糸をより合わせる設備を活用している。「銀糸の価格は綿糸の40倍ほど。でも抗菌効果は高い」と父で社長の順さん(66)。インフルエンザなど他のウイルスや細菌の増殖を抑えるのは実証済みという。新型コロナへの効果は未確認だ。

 今年発売した極細伸縮糸製でフィット性の高い「手袋の下着」「手袋のストッキング」の技術も活用。しなやかで耐久性もある「TEMASK」が誕生した。

 久留米のゴム産業を支える軍手を半世紀作ってきたイナバ。雄大さんは「地元をはじめ広く届けたい」と話している。

 1点2710円、4点9760円などで、Makuake=https://www.makuake.com/project/temask/=のみで受注している。 (大矢和世)

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