劇団ジグザグバイト、中止公演をネット配信 10日「少しでも前へ」

西日本新聞

 福岡市を拠点に活動する「劇団ZIG.ZAG.BITE」(ジグザグバイト)は10日午後3時から、新型コロナウイルス禍で、いったん中止を決めた5周年公演をインターネット上で生配信する。衣装代や道具代などを回収できないピンチに陥ったが、ネットで資金を募り、無観客公演にこぎ着けた。「歌や踊りで多くの人を元気づけたい」と意気込む。

 ジグザグバイトは2015年設立。劇団員7人に加え、時には地元の高校生や大学生も舞台に招き、公演を開いてきた。歌やダンスを通じ、俳優のエネルギーを観客に全力でぶつける演出が売り物で、4月29日~5月3日に予定していた5周年の「春公演」は特に力が入っていた。

 しかし、コロナの感染拡大で3月下旬ごろから練習に使っていた公共施設が休館に。さらに4月に入ると緊急事態宣言が出され、苦渋の決断で公演を中止した。

 「このままでは、衣装代や道具代などの出費だけでなく、積み上げてきた稽古も無駄になる。少しでも前に進もう」と代表で構成・演出を手掛ける大串到生(とおい)さん(31)がオンライン配信を提案。ネット上で資金を募る「クラウドファンディング(CF)」を活用し、1カ月で58人から目標額を超える約40万円の支援が集まった。

 「ライブ感が好きで劇団をやっているので、観客がいないことへの不安はある」と大串さん。

 配信に向けた稽古を始めたが、「3密」を避けるため、集合したのはわずか3回。検温や換気もこまめにしながらの“厳戒態勢”となった。それ以外の多くの時間は、個々が自宅で歌や踊り、せりふを繰り返し磨いてきた。

「新しい時代の到来を伝える」

 演目は「時代到来」。花魁(おいらん)が男の純情にほだされる古典落語「紺屋高尾」(こうやたかお)をモチーフにした大衆演劇だ。本公演で初座長を務める髙橋来人さん(23)は「人に思いを届けるという意志は変わらない。演目通り、新しい時代の到来を(ネットから)伝えるので、ご期待を」と意気込んだ。

 コロナ禍で演劇やコンサートなど文化芸能分野の公演が中止・延期になり、業界全体の損失額は3月中旬時点で522億円と推計されている。

 大串さんは「こんな時だからこそ新しい挑戦をした。コール&レスポンスもある参加型の演目なので、自宅でコールしたり、一緒に踊ったりして、画面越しに一つになれたらうれしい」とほほ笑んだ。

 ネット上のライブ配信サービス「ツイキャス」で、誰でも無料で視聴できる。配信サイトは=https://twitcasting.tv/zig_zag_bite

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