いじめ体験と生きる大切さつづる 上薗さんが作文コンクール最優秀賞

 犯罪被害を考える警察庁主催の「大切な命を守る」全国作文コンクール(中学生の部)で昨年度、熊本県立第一高1年の上薗祐己さん(15)=熊本市南区=が最優秀賞の国務大臣・国家公安委員長賞を受賞した。自身のいじめ体験を交え、生きることの大切さをつづった。

 県警本部で4月16日に行われた表彰伝達式で、上薗さんは「まさか全国一になるとは思わなかった。自分の作文が、勇気を出してつらいことを相談するきっかけになれば」と話した。

 作文コンクールは2011年から毎年開催され、各都道府県警が中学、高校で行っている被害者遺族による講演会「命の大切さを学ぶ教室」の受講者らが応募。19年度は中学生の部に全国から4万2581点が集まった。

 上薗さんは昨年9月、在学していた熊本市立力合中で、高専生の娘=当時(20)=を同級生の少年に殺害された山口県の中谷加代子さん(59)の講演を聴いた。「あなたたちは、ここにいるだけで価値がある」。中谷さんからのメッセージに、以前いじめに悩んでいた時、母親から贈られた言葉を重ねて作文を書いた。

 小学校3年のころ、転校をきっかけに同級生から仲間外れにされたり悪口を言われたりするなど友人関係で悩む時期があった上薗さん。自宅でも4歳下の弟とけんかが続き「居場所がない」と死ぬことまで考えたが、勇気を出して母親に打ち明けると「生きててくれてありがとう」と言われ、心が救われたという。

 こうした体験をあまり言葉にしたことはなかったが、つらい思いをした遺族の話を聞き、勇気が出たという。作文は当時を振り返りながら「生きることを諦めないことが大切」と結んだ。

(綾部庸介)

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