「ありがたい」「補助出る前に倒れる」 与党の家賃支援策に賛否

西日本新聞 総合面 井崎 圭 仲山 美葵 布谷 真基

九州の中小事業者、歓迎と批判

 新型コロナウイルスの影響で売り上げが大きく減った中小企業や個人事業主の家賃支援策を与党が政府に提言したことを受け、地場の経営者からは歓迎の一方、支援のスピードなどに対する注文の声が上がった。

 福岡市・天神に近い大名地区で2店の美容室を経営する松田秀則さん(45)は「本当にありがたい」と支援策を歓迎する。

 2店舗の家賃は月計100万円。3月下旬から予約のキャンセルが相次ぎ、4月10日から約1カ月間の休業を余儀なくされた。5月7日から営業を再開したものの、感染防止策として予約数を通常の半分程度に減らしている。売り上げが縮小する中で、人件費や広告費も重くのしかかる。松田さんは「今後半年から1年は影響が続くはず。支援で家賃負担を軽減したい」。

 東京商工リサーチが4月に実施した調査では、売上高に占める家賃の割合が2割以上と回答した中小企業は25%に上る。規模が小さい企業ほど家賃負担が重く無収入や売り上げ減の中で払い続けるのは難しい。

 一方、与党案が6月からの支給開始を目指すとしていることに、うどん店チェーンを経営する福岡市の男性(39)は「3月から売り上げは3割以下。今月の支払いに困る人を救う気があるのか」と憤る。金融機関の無利子・無担保融資を受け付ける窓口には申し込みが殺到しており、「融資がいつ決まるか分からず、補助が出る前に倒れる人もいるのでは」と指摘する。

 与党案は支援期間を半年分とするが、消費の落ち込みが短期間で回復するかは不透明だ。熊本市でイタリア料理店を営むオーナーシェフの山本英貴さん(44)は「家賃支援に加え、自粛ムードを和らげる取り組みもしてもらいたい」と注文する。

 家賃支援を巡っては、福岡市や北九州市、熊本市なども休業店舗を対象に独自の補助を設けている。 (井崎圭、仲山美葵)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ