渡米前にハプニング ビートルズになりたくて(8)

西日本新聞 筑豊版

ザ・フライングエレファンツ安部米央が語る「筑豊のビートルズ」

 カーネギーの出演が決まると、バタバタの日々です。どこから情報を聞きつけたのか、メディアから取材を受けるようになりましたし、キングレコードからも「関係者に紹介したい」という要請があり、東京へ取材対応と演奏に行ったこともありました。

 公演は、ビザの取得が間に合わなかったため、当初予定していた7月から10月に延期されました。延びた分だけ練習や準備に時間が使えたから良かったのですが、本番が迫った9月だったと思います。ゲストで招く予定だった、ビートルズの録音に参加し「5人目のビートルズ」とも呼ばれていたキーボード奏者のビリー・プレストンさんが逮捕され、急きょ出演できなくなりました。

 私たちは米国では無名ですし、演出や集客の関係上、著名なゲストを呼ぶ必要がありました。人気ロック歌手のレオン・ラッセルさんにつてがあるという現地在住の日本人ツアースタッフの計らいで、ダメ元で出演を依頼すると、快諾していただき一件落着しました。ラジオやレコードでしか聞いたことのない大物歌手との共演。こんなことは普通起こりえないことで、本当に周りの皆さんのお心遣いがうれしかったです。

 地元の福岡県では6月に田川文化センターで、9月には川崎町総合運動公園で壮行会がありました。運動公園の野外会場は、1万数千人のファンの方達でいっぱいでした。ソロの「イマジン」を歌っている時でしたか、これまでの道のりを思い出し、涙してしまいました。客席を見ると知り合いもいたこともあり、温かいし、力が出ました。今でも地元の人は大切にしたいという気持ちがあります。

 出発の日が来ました。田川を出る際、地元の関係者やファンの方が駆けつけてくれました。メンバーを代表して私が「アメリカでは必ず成功して帰ってきます」とあいさつすると、万歳三唱で送り出してもらいました。福岡空港でも、たくさんのファンに見送ってもらいました。本当にありがたいことです。ファンへの感謝を胸に私たちは米国へ飛び立ちました。

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