「これ以上借金できない」コロナで困窮…学生たちを救え

西日本新聞 社会面 山下 真 四宮 淳平

バイト先休業、親の収入減…就活も中断

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、アルバイト先の休業や、親の収入減により大学生の生活が困窮している。やむなく退学を検討する学生が2割に及ぶという調査もあり、大学側に支援を求める署名運動が広がりをみせている。

 福岡大商学部4年の太田克成さん(22)=福岡市城南区=は8日、大学側に学費の減免や、パソコン室などの設備利用費の返還を求める約700人分の電子署名をメールで提出した。会員制交流サイト(SNS)を通じた署名呼び掛けに応じた学生らからは「お金がなくて勉強を諦める。考えただけで悲しくなる」との声も寄せられたという。

 「学生の声に耳を傾け、せめて話し合う機会をつくってほしい」と訴える太田さん自身、アルバイトができなくなり、生活のめどが立たなくなった。

 1人暮らしのアパートの家賃や生活費のため、親からの仕送り月2万円と、インターネットカフェでのバイト代月8万円を充ててきた。ところが緊急事態宣言でネットカフェも休業要請の対象となり、バイト先からは「しばらく休業する」と連絡が入った。急きょ別の仕事を探したものの、居酒屋や飲食店はどこも厳しく、新たなバイト先は見つからなかった。

 福岡大は家計が急変した学生向けに複数の貸与型奨学金を紹介したが、太田さんは学費のため既に毎月6万円の奨学金を借りており「これ以上、借金を増やせない」。中高生のきょうだいが3人いるので家族に新たな経済負担はかけられない。4月中旬、岡山県の実家に戻らざるを得なくなり、就職活動も中断している。志望はITや広告関連の福岡市の企業。しかし企業説明会は次々と中止になり、採用そのものを取りやめる企業もある。内定は獲得できないまま。「予想もしなかった事態で将来は不安ばかり」とつぶやいた。

 西南学院大2年の米村大吾さん(19)=福岡県那珂川市=も学費減免を求め、オンラインの署名活動を始めた。4月28日の開始から、既に530人以上の署名が集まった。

 西南学院大は、家計に打撃を受けた学生、大学院生らを対象に上限6万円を給付する「緊急支援給付奨学金」を発表した。それでも、視界は晴れない。米村さんは「新型コロナの影響が長引けば6万円ではとても足りない。支援は1度だけなのか」と漏らした。

 学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」(東京)が実施したアンケートの中間集計(4月9~27日)では、回答した319校の大学生ら1200人のうち「バイト収入が減った」「ゼロになった」が合わせて約7割に上り、5人に1人が退学を検討していた。事務局を務める一橋大2年の木村和貴さんは「大学単独の支援では財源に限りがある。国が積極的に支援するべきだ」と話した。

(山下真)

 

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