ダダダダーン-…

 ダダダダーン-。こう書くだけで、ベートーベンの交響曲「運命」を思い浮かべる人も多いだろう。誰もが知る最も有名なクラシック音楽と言える。ベートーベンは今年、生誕250年。各地で趣向を凝らした催しが企画されていたが、新型コロナウイルスの出現で延期や中止が相次ぐ。

 運命の楽譜の冒頭には八分休符が記されている。一瞬の間の後に続く「ダダダダーン」について、真偽は分からないが、ベートーベンが弟子に「このように運命は扉をたたく」と語ったという逸話がある。世界中を過酷な運命にさらしているウイルスは、一瞬の休む間も、扉をたたくような礼儀もないまま、われわれに襲いかかってきた。

 「ダダダダーン」のリズムはモールス符号で「V」を示すという。第2次大戦中には英BBC放送が、「勝利」の意味を込めて運命を頻繁に流したそうだ。ウイルスへの勝利を祝う「ダダダダーン」を早く聴きたい。(宮崎省三)

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