“未来の自由券”全国から注文 63席の映画館、支配人の思い

 新型コロナウイルスの感染拡大のあおりを受けて休館中の映画館「日田シネマテーク・リベルテ」(大分県日田市)が、再開後に映画を安く鑑賞でき、商品購入にも使える前売りチケット「未来の自由券」を販売している。経営が見通せない中、存続をかけてチケットを考案した支配人の原茂樹さん(43)は「再開できたら、またお客さん一人一人を大切にしながら恩返ししていきたい」と話している。

 わずか63席のリベルテ。原さんは2009年、閉館寸前だったところを引き継いだ。厳選した映画を上映し、映画監督のトークイベントや音楽ライブを開催。カフェスペースも設け、陶磁器や雑貨などの展示・販売、写真や絵本原画の作品展など多彩なイベントを行ってきた。しかし感染拡大で3月ごろから来館者は激減。緊急事態宣言の全国拡大を受け、4月18日から休館した。

 チケットは3千円券、6千円券、1万4千円券の3種類で、有効期限はない。通常の映画鑑賞は1作品1700円だが、ドリンクも付いて1500円。同館が販売する商品を買うこともできる。「楽しい未来を想像してほしい」との思いを込めて「未来の自由券」と命名した。

 休館する前の同12日から同館のオンラインストアで販売を始めたところ、連日全国から注文が入っているという。「想像以上の反響。リベルテを大切に思ってくれる人がたくさんいると分かり、身が引き締まる」と原さん。

 全国では、閉館の危機に直面するミニシアターを支援するクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」に多額の基金が集まっている。原さんは「今こそ映画を見て、人生では何が大切かを考えてほしい。名画にはそのエッセンスが込められている」と強調している。 (笠原和香子)

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