コロナに負けず市民交流 テイラーさんの福岡日記

 私が在福岡米国領事館の首席領事に着任した昨夏には想像もできなかった事態が世界で起きています。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、私の働く領事館ではほぼ全員がテレワークをしています。テレワークへの迅速な移行は、日頃の危機管理研修で緊急時に備える必要性を定めた米国務省の方針があってのことです。

 私は米国務省に入る前、米空軍に勤務していました。2001年の米同時多発テロ発生時、私は米軍の対空警戒システムが、米国内の全ての民間機を正確に飛行禁止とさせるための準備を担当しました。こうした事態に軍が迅速に対応したことを覚えています。この経験もあり、領事館という組織のリーダーである私は、危機管理研修と緊急時への備えの必要性を強く感じています。

    ★    ☆

 さて、コロナ対策で「3密」を避けなければならない状況ではありますが、領事館は市民との交流を諦めたわけではありません。やむなく中止となった市民との交流イベントの代わりに3月中旬から、当館のフェイスブック(FB)を活用して、オンラインによる誰でも参加可能な生放送の意見交換会を英語と日本語で毎週実施しています。

 私はこれまでのオンラインの交流イベントで、英語学習や健康、女性の活躍促進などのトピックで参加者と語りました。毎回15歳から65歳くらいまでの方々が平均40人参加しています。後に動画を視聴した人は平均6千人います。

 今後のイベントスケジュールを当館のFB(https://www.facebook.com/USConsulateFukuoka/)でチェックしてみてください。

    ★    ☆

 1987年に19歳で初めて来日して以来、30年以上にわたって日本と関わってきた米国人として、私は日本人の皆さんの謙虚さと他の人への思いやりに感銘を受けています。

 私の家族は常に緊急時の備えが必要と考えていますので、普段から家に必需品を備蓄しています。それでも3月末に、日本で緊急事態宣言が出るかもしれないと思った際は、店からなくなりそうな商品をもっと備蓄した方がいいのではないかと迷いました。

 でもその時、私の日本人の妻は「自分たちのことだけでなく、他の人のことも考えることが大切。もし人々がスーパーなどに食料品や必需品の買い占めに走れば、商品が売り切れ、結果的にすべての人の生活がより困難になってしまう」と私に諭してくれました。

 新型コロナの影響で海外では食料品店でのパニック買いが発生している所もあります。私が福岡で印象深いと感じたのは、緊急事態宣言が発令された4月7日でさえ、多くの日本人の買い物客が過剰な購入を控えていたことです。そのおかげで、いつでも必要なものを購入することができるのです。

 「明けない夜はない」。ウイルスに共に打ち勝ち、普通の社会や活動を再開できる日を望みましょう。

   ×    ×

 2019年8月着任。米空軍を経て03年に米国務省入省。09~12年、札幌の米国総領事館で勤務した。1987年に教会のボランティアとして初来日。これまでに九州7県を含む34都道府県を訪ねた。妻は日本人で、4人の子どもと1人の孫がいる。52歳。

(在福岡米国領事館ジョン・テイラー首席領事)

関連記事

PR

PR