なぜ?カーブミラー、県道にずらり 謎を探ってみた

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

 福岡県苅田町の山間部、山口地区の県道に、カーブミラーがずらりと並んだ不思議な場所がある。わずか約200メートルの間に11柱、20面のミラーがひしめく。よく見ると、民家の出入り口に1柱ずつ立っている。なぜ?

 住民たちの証言をまとめた経緯はこうだ。この県道は苅田町の沿岸部と筑豊地区を結ぶ。2008年、両地区を隔てる京都峠区間が開通。北九州空港や自動車工場などへの近道として、筑豊側からの車両が一気に増えた。

 だがバイパス道建設が遅れた山口地区は、幅3~4メートルしかない旧来の道路を車が行き交う。事故におびえる住民らは県に強く迫り、集落の手前から一般車両の通行を禁止。一時は警備員を置いて車両を迂回(うかい)路へ誘導し、住民には通行許可証を発行したらしい。

 そんな応急処置が長続きするはずもなく、県は一般車両の通行容認を住民に要請。代わりに、全戸の出入り口にミラーを立てる条件で合意したという。10年ほど前のことだ。

 「海側には工場群があるでしょ。通勤だから朝夕は飛ばすんですよ、この狭い道を。そりゃあ怖いですよ」と、沿道に住む男性(83)。林立するミラーには、事故を恐れる住民たちの、ドライバーへの警告が込められていた。

 住民が10年前から心待ちにしているバイパス道建設は、土地買収の難航などで遅れ続け、いまだ開通時期のめども立っていない。 (石黒雅史)

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