“五輪”で電力集めます 「レンズ風車」じわり普及

西日本新聞 九州経済面 竹次 稔

オリンピック控えた東京にもアピール

 風力発電の出力を高める円形のつばが付いた小型「レンズ風車」(出力3キロワット、直径3・6メートル)を複数組み合わせるシステムが広がってきている。5基以上だと出力を2割以上高められるという。さらにレンズ風車そのものの大型化や、洋上風力の浮体式としての導入も検討されている。

 レンズ風車は、九州大応用力学研究所(福岡県春日市)の研究グループが開発。大屋裕二特任教授(風工学)のグループと、同氏が代表を務めるベンチャー企業「リアムウィンド」(福岡市)が設置に携わっており、導入しやすい小型・中型風力で、身近なところから電力を得ることを目指している。

 2016年、北九州市若松区で初めて3基を組み合わせたマルチシステムを設置。その後、低風速地域での有効性を確かめるためにタイ、山間部での活用方法を探るために鹿児島県南九州市と熊本県南阿蘇村に19年までに導入した。佐賀県唐津市の海岸部では2月、初めて5基のシステムも設置した。

 レンズ風車は、つば周辺の渦発生に伴って風車の後ろ側が低圧となって効率的に“集風”して発電。3基の組み合わせで約10%、5基で約20%全体の出力が上昇することが分かっている。5基だと五輪マークのようになり、着色したシステムを東京五輪のシンボルとして活用できないか東京都に提案している。今後は7基以上に取り組む。

 さらにレンズ風車を出力100倍の300キロワットまで中型化したり、中型化した風車を浮体に載せて海に浮かべたりする研究も急ぐ。

 大屋特任教授は「欧州でも、小型風車を組み合わせて効率的に発電する研究が進んでいる。騒音などが少ない分散型エネルギーの普及につなげたい」と話している。

(竹次稔)

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