劇団、楽団、ギャラリー…文化事業所は平均630万円減収 福岡で民間調査

 新型コロナウイルスの影響でコンサートや演劇公演が中止になる中、福岡県内の文化芸術関連事業所の経済的損失が、平均約630万円に上ることが民間の研究者らの調査で明らかになった。個人の損失は約44万円。うち4割が「生計の見通しが立たない」と訴えた。地域文化の担い手が存続の危機に直面していることが浮き彫りになった。

 2~9日、ニッセイ基礎研究所の大澤寅雄主任研究員、九州産業大の古賀弥生教授、九州大の長津結一郎助教がインターネットで無記名調査。事業所61カ所、個人645人が回答した。

 事業所の7割は従業員10人未満。減収は最大7千万円からゼロまで幅があった。分野別に見ると、劇団、イベント制作会社、楽団などの「創作発表、企画制作」が平均450万円の減収。一方、照明や音響技術の会社、ホール、ライブハウス、ギャラリーといった「技術提供、施設運営」は806万円と高く、表現の場を支える「裏方」への影響の大きさが目立つ。

 個人の平均減収も、役者や劇作家、美術家といった表現者が27万円だったのに比べ、照明などの技術的な職種は92万円と高かった。最大は1800万円。

 必要な支援としては、事業所の72%、個人の57%が「延期と中止による損失分の支援」を挙げた。

 日本芸能実演家団体協議会(芸団協)の2019年度調査では、演劇や音楽に関わる実演者の5割程度が年収300万円未満。大澤研究員は「収入減が長引けば廃業も出てくる」とし、文化の基盤が失われることへの危機感を示す。

 こうした地域文化への影響調査はまだ少なく、日本文化政策学会副会長の小林真理・東京大教授は「文化活動は地域で特徴が異なるため、全国一律でない支援が必要。各地で調査が進めば、自治体が独自の支援策を練りやすくなる」と話している。 (諏訪部真)

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