「涙でるほどうれしい」アニメファンが救いの手 佐賀のステーキ店

西日本新聞

シェフ「おかえりって迎えたい」

 新型コロナウイルスの影響で客足が落ち込んだ佐賀県唐津市のステーキ店「キャラバン」が食事代の先払いチケットの販売を始めたところ、国内外のアニメファンの間で支援の輪が広がっている。アニメゆかりの地を訪れる「聖地巡礼」のファンたちが、唐津の憩いの場として親しむ店の窮地を救おうと立ち上がった。アメリカや中国など見知らぬ人たちからも手が差し伸べられ、オーナーシェフの河上彰範さん(42)は「改めてファンの温かさを実感し、涙がでるほどうれしい」と話している。

 「キャラバンは佐賀での僕の居場所。少しでも協力したい」。11日夜、長崎県大村市の男性会社員(20)が店にチケットを買いに来た。佐賀が舞台となったテレビアニメ「ゾンビランドサガ」のファン。「聖地巡礼」などで唐津を度々訪れており、月に数回、「河上シェフや他のファンと一緒に談笑できる楽しい場所」という店に足を運ぶ。

 河上さん自身もアニメが大好きで、ファンのために専用の休憩スペースを店内に設けたり、無償で自転車を貸し出したりして交流を深めてきた。毎日のようにファンが店に訪ねていたが、コロナ禍で客足が減少。4月の売り上げは昨年同月比で9割減だった。店の資金繰りが苦しくなり、気持ちも沈んでいた。

 そんなとき、会員制交流サイト(SNS)を通じてファンから「どうにか店を応援したい」と声が寄せられた。そこで河上さんは、店の食事代を先払いする「キャラバンサポーターズチケット」を考案し、4月28日からインターネットなどで販売を始めた。

 ツイッターやフェイスブックで発信したところ、北海道や東京、カナダなど国内外のファンの目に留まり、10日ほどで約200人が100万円超のチケットを購入。会ったことがないアメリカのアニメファンからは「私が店に行くまで頑張って」と英語でメッセージが寄せられ、常連たちからも「必ず唐津に帰ります」「ご体調に気をつけて」などと激励された。

 「資金面だけでなく心も救われた」という河上さん。一人一人にお礼の手紙を書き、チケットと一緒に送っている。先が見えない不安はあるものの「ファンのためにも店をつぶすわけにはいかない。また唐津へ来てもらい、『おかえり』って迎えられるように頑張っていきたい」と前を向く。

 チケットは5千円~10万円の5種類。このうち1万円以上の4種類は額面の1割増で利用できる。

(津留恒星)

佐賀県の天気予報

PR

佐賀 アクセスランキング

PR

注目のテーマ