「寝耳に水」福岡、想定外の解除 県関係者にも戸惑い

 「特定警戒都道府県」の福岡県が緊急事態宣言の対象から外れることは、県関係者にとっても想定外だった。直近1週間の1日当たりの感染者は0~2人で推移しているとはいえ、累積感染者数は九州7県で突出している。北海道や海外のような感染の「第2波」のリスクをいかに防ぐか。小川洋知事の手腕が問われるのはこれからだ。

 「寝耳に水。最も想定していなかったパターンだ」。福岡県の宣言を解除する方針が報道された13日、県幹部は早朝から情報収集に追われ、対応協議は深夜にまで及んだ。国からの情報が得られない中、想定されるパターンを「シャドーボクシングのように考え続けた」(県幹部)。休業要請の一律解除も検討したが、他県への影響も考え、ナイトクラブなどクラスター(感染者集団)が発生している施設は要請を維持することで落ち着いた。

 県内では5月3日に新たな感染者がゼロとなって以降、1日当たりの新規感染者数は0~2人に抑えられている。県民の「自粛疲れ」が指摘され、県議会からも「感染状況を見極め、一日も早く経済活動再開のめどを示すべきだ」と強く要請されていた。

 だが、国は7日に宣言を約1カ月延長したばかり。小川知事は11日、特定警戒指定が継続されるとの前提で、美術館や博物館の再開、飲食店の営業時間延長などの検討を表明。感染再拡大のリスクを避けつつ、宣言の範囲内でどこまで経済活動を再開できるか。ぎりぎりの独自緩和策を打ち出すことに腐心していた。

 それだけに「2階級特進」とも言える宣言解除には、驚きとともに「本当に大丈夫なのか」(県幹部)との不安が拭えない。独自の緊急事態宣言を出した北海道は3月19日に解除後、4月に「第1波」を上回る日別感染者数を記録している。ある福岡県議は「週末は街に人があふれるのではないか。北海道は対岸の火事ではない」と警戒する。

 記者会見で小川知事は、政府の掲げる「新しい生活様式」を守るよう念を押した。だが、休業要請の解除が県民に「緩み」を生むのは間違いない。

 小川知事は会見で、自らを戒めるように語った。「これで終わりではない。新しいスタートだ」 (前田倫之)

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