「居場所がない」居候先で妊娠の19歳、寮追い出された24歳…悩む女性

西日本新聞 くらし面 新西 ましほ

 思いがけない妊娠に悩む女性を支援するNPO法人「ピッコラーレ」(東京)が4月末、居場所のない若年妊婦のための場「HOME」を東京都豊島区に開設した。代表理事の中島かおりさん(48)は「妊娠を誰にも言えず、ネットカフェや知人宅を転々と漂流せざるを得ない女性がいる。彼女たちが安心して休め、社会とのつながりを取り戻せる場にしたい」と話す。

 中島さんは2015年、助産師仲間らと「にんしんSOS東京」を設立。電話やメールなどで相談を受け、病院や行政の窓口への同行支援もしてきた。寄せられた相談は延べ1万8千件以上。そこで出会ったのが、妊娠前から貧困や虐待などの困難を抱え衣食住もままならない女性たちだ。

 父親の暴力から逃れて家出し、居候先の男性の子を身ごもった19歳。妊娠で性風俗店の寮を追い出され、ネットカフェで暮らす24歳。家庭で虐待を受け、SNSで複数の大人と出会ううち妊娠した16歳-。「安心で安全な居場所がないことが妊娠につながり、一人きりで抱え、病院にもかかれないままになってしまう」と中島さんは言う。

 厚生労働省の調査では、17年度に心中以外の虐待で死亡した子どもは0歳児が28人で半数以上を占め、中でも生後0カ月は14人。すべて医療機関以外での出産だった。困窮した女性を受け入れる婦人保護施設などもあるが、妊婦を想定した施設はわずか。スマートフォンの利用制限などの規則もあり、入所をためらう例も少なくない。孤立無援でスマホでのつながりが心のよりどころだからだ。

 HOMEは、妊婦に無料で衣食住を提供する。寄付や区の助成で2階建ての空き家をリフォーム。リビングとキッチン、宿泊可能な個室2部屋があり、助産師が生活をサポートする。中島さんは「悩みがあったらいつでも立ち寄れ、地域の人たちともつながれる開かれた場所にしたい。HOMEのような居場所が全国に広がってほしい」と話す。

 29日まで、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で運営費の寄付を募っている。 (新西ましほ)

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