ジャッキで建物丸ごと持ち上げ 京大火山研の復旧大詰め

 4年前の熊本地震で被災し、本年度中の再建を目指す京都大火山研究センター(熊本県南阿蘇村)は15日、報道陣に復旧工事の現場を公開した。地震に伴い、建物(6階建て)全体が約10センチ沈下したため、同日は建物を丸ごとジャッキで持ち上げる作業があった。

 研究センターは、大規模地滑りで5人が亡くなった高野台の頂上にある。1928年に開設された建物は、当時はまだ珍しかった鉄筋コンクリート造りで、内装はアールデコ調。国の文化財にも指定されており、既存の建物を生かす形で、昨年8月から復旧工事が進められている。

 耐震補強のため建物の基礎部分には、深さ10メートルまで鋼管が打ち込まれ、厚さ約1・5メートルのコンクリート土台も設置。建物全体を持ち上げる作業はこの日で終わり、復旧工事は大詰めを迎えた。

 研究機能は地震翌年4月から、阿蘇市内の旧小学校舎に移転され、火山観測が続けられている。大倉敬宏教授は「地震後、移転も検討したが、観測や研究の利便性を考え、現地復旧を決めた。今後は、火山地帯での地滑りのメカニズムや防災に向けた教訓についても、共同研究を深めていきたい」と話した。

(佐藤倫之)

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