タピオカばかり投稿の芸人は嫌い⁉ 福岡吉本の新人漫才トリオ・とらんじっと

西日本新聞 木村 貴之

 新型コロナウイルスの影響でエンタメ業界の苦戦が続く中、福岡吉本の漫才トリオ「とらんじっと」をGET。今春、お笑い芸人養成校「吉本総合芸能学院(NSC)」福岡校を首席で卒業し、芸人生活を始めた原直輝さん(24)、あらたさん(24)、松水健太さん(24)の奮闘を探ります。

 -卒業ライブ。予選ネタは「番長対決」、決勝は「修学旅行」でした。ネタ作りなど役割分担は?

 ★ 最初に僕が大まかな流れを決め、2人の意見を聞き物語を作ります。僕はツッコミ役で松水がボケ、あらたは大ボケで。

 ★あらた 僕は物語に関係なく、勢いと明るさで笑いを取る。子どもたちのウケも狙います。

 -決勝で「ここにいる女性全員の顔、覚えたよ」という松水君のせりふは強烈。ツカミもうまい。

 ★松水 僕は普通のボケだけど、シュッとした2人に比べイケてない風貌が武器。この顔でキザなこと言って笑いを誘います。

 -3人は高校時代の同級生?

 ★ 宗像高校(福岡県宗像市)の同級生でした。1年のとき同じ部活で出会い、2年で同じクラスに。文化祭で漫才を披露した3年のときにトリオを結成しました。

 ★あらた 保護者を含めて約300人集まった体育館がどっと沸いたときは快感でした。最初は先生にチョーク投げられながらふざけ合うだけで満足だったけど。

 ★ 本番までしっかり準備したよね。毎日、朝の課外授業が始まる1時間以上前には地学実験室に集まり、ネタ合わせして。

 -その年、吉本興業主催の「ハイスクールマンザイ」に出場し、九州・沖縄地区予選で優勝した。

 ★ 文化祭の後、慌ててエントリーしたら運良く。全国大会では入賞を逃したけど、その経験がNSC入りにつながった。

 -NSC入りまでブランクが。

 ★ 5年間、大学進学で活動休止しました。現役合格した僕は卒業後に1年間アルバイト。1浪で進学した2人の卒業を待ち、NSC入校後に再開しました。

 -NSCではどんな1年を?

 ★あらた いろんな学校のお笑い番長が集まると思ったら、大半は自分を試す、磨くという感じの勉強目的。逆に新鮮だった。

 ★ 作家先生から見せ方を勉強しました。自分たちで面白がる笑いをお客にどう伝えるか。高校時代は考えもしなかった。

 ★松水 僕はツッコミからボケに変わりました。高校時代から2人のボケたいじりに僕がツッコミで返すスタイルでしたが、それが「いじめみたい」と作家先生に指摘されて。ボケに回ったら僕自身も気分がすっきりしました。

 -待望の芸人生活が始まった。

 ★ 卒業後はテレビやラジオの仕事が入り「首席効果」を味わえたけど、それもつかの間。新型コロナでイベントが相次ぎ中止、無観客ライブもできない…。

 ★松水 出はなをくじかれました。4月以降のライブが全部なくなり、再開のめども立たず。

 ★あらた 今しかできないことがあった。「首席取ったくらいで調子に乗るな」と先輩に言われたり、プレッシャーと闘ったりする場面もない。これはつらい。

 -3人は同居生活。自宅でネット配信とかいろいろできそう。

 ★ そう。芸人1年目から行き詰まるわけにいかない。動画投稿サイトユーチューブ」で僕らのネタを配信できるよう急ピッチで動画編集を勉強してます。

 ★あらた 家族で囲むテレビと違い、ネット動画は個人で視聴。僕には少し抵抗があるけど、そんなことは言ってられない。

 ★松水 僕は外出自粛中、ユーチューブばかり見てたから平気。楽しみが増えた気分(笑)。

 -では最後に大喜利。こんなお笑い芸人は嫌いだ。どんな芸人?

 ★ 「M-1グランプリ(漫才コンクール)なんておもんねーよ」って言っちゃう芸人。

 ★あらた うーん。芸名が「お笑い芸人」っていう芸人。

 ★松水 インスタグラムにタピオカばかり投稿する芸人。

 -(笑)おつかれさまでした。

 (文と写真・木村貴之)

 ▼とらんじっと 2013年に結成。メンバーは原直輝(はら・なおき)=写真中=1995年生まれ、福岡県宗像市出身、明治学院大卒▽あらた(本名・村山新汰)=同左=95年生まれ、同市出身、福岡教育大卒▽松水健太(まつみず・けんた)=同右=95年生まれ、同県芦屋町出身、大阪市立大卒。トリオ名は芥川賞作家・小川洋子さんの短編小説「トランジット」にちなんで命名した。高校時代に教科書で読んで感動し、題名が頭から離れなかったという。

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