「削れるのは食費」…善意の無料配布に列 食料支援の要望高まる

西日本新聞 ふくおか版 今井 知可子 床波 昌雄

 新型コロナウイルスの影響で、子育て世帯を中心に食料支援の要望が高まっている。福岡県内では、就学援助世帯にコメを配る自治体もあるが、援助対象ではない家庭も保護者の休業などで収入減へ不安が広がる。古賀市と福津市で4月下旬~5月初め、市民団体による無料の食料配布があり、多くの子育て世帯が善意を受け取った。

 「ありがとうございます。本当に助かります」。古賀市で4月下旬に行われた食料配布。保護者たちはほっとした表情を見せた。休業中の30代女性は「ずっと子どもと家にいるので削れるのはやっぱり食費。買い物に行く回数を減らし、一日いくら食費がかかるか考えている」と話した。

 企画したのは、同市で子ども支援に携わる有志のグループ「子どもファーストKoga」(加藤典子代表)。告知は会員制交流サイト(SNS)のみにもかかわらず、会場には開始時間前に長い列ができた。

 レトルト食品や菓子などの食料は、NPO法人「フードバンク福岡」(福岡市)の提供。袋に小分けして詰め、子どもの遊び道具として折り紙とあやとりも入れた。

 活動を知った古賀市の農家6軒からコメ600キロの寄付もあった。農家の一人、渡健一郎さん(39)は「ネットニュースで食事に困窮する母子の記事を読み、自分に何ができるのかずっと考えていた」。受け取った親子から「おこめおいしかったです」とメッセージが届いているという。加藤代表は「緊急事態宣言解除ですぐに家計が楽になる訳ではない。継続的な支援が必要では」と指摘する。

   ◇    ◇

 福津市では4月末と5月初め、市民ボランティア団体「ふくつながり」(豆田優子代表)が食料配布に取り組んだ。インスタントラーメンやお菓子、清涼飲料水などの詰め合わせ150パックを30分足らずで配り終えた。4歳、2歳の子育て中の母親(28)は「保育園が休園となり、現在は休職中。朝昼晩3食作るのも大変だし、子どもたちを散歩させるのも一苦労している」と明かした。

 配布を手伝った同市の松田美幸副市長は「母親が働きに行くことができず、生活が困窮する世帯が出てくることが予想される。現在、ほとんどの子ども食堂が感染防止のため休止されているが、どうにか再開できないか、行政としても考えていきたい」と話した。

 企業などから食品の寄付を受け、子ども食堂など必要とする場所につないでいるフードバンク福岡には、雇用を打ち切られたシングルマザー家庭などから窮状を訴える声が届く。アルバイト先がなくなり、帰国もできない学生たちを抱える外国人学校からの問い合わせも増えたという。食料支援へのニーズが一層高まっているとして、「特にレトルト食品や缶詰、みそ、しょうゆなど、日常の食を支える食品が必要になっている」と話している。 (今井知可子、床波昌雄)

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