コロナ薬を共同開発へ 久留米のベンチャーと福岡県 22年臨床試験目指す

西日本新聞 社会面 大坪 拓也

 福岡県とバイオベンチャー企業「ボナック」(同県久留米市)は18日、新型コロナウイルスの治療薬の共同研究開発を始めると発表した。ウイルスの遺伝子に直接作用する「核酸医薬」で、副作用を軽減できるという。軽症者が主な対象で、2022年4月以降に患者への臨床試験実施を目指す。核酸医薬による新型コロナ治療薬の研究開発は国内では珍しいという。

 従来の医薬品は病気の原因となるタンパク質の働きを抑制するが、核酸医薬はタンパク質を生み出すRNAという遺伝情報を伝える物質に作用し、未然にタンパク質の生成を防ぐ。新薬もこの仕組みを応用し、コロナウイルスが人の細胞内で増殖する前にウイルスのRNAを分解し、症状悪化を抑えて治癒につなげる。

 原形となる新薬ができれば、今後ウイルスが変異し、別の感染症が流行した場合でも、核酸の配列を変えることで比較的短期間に治療薬が開発可能という。

 同社は核酸医薬のもとになる人工の核酸を開発。肺の難病の治療薬開発なども進め、海外でも注目される。

 県の保健環境研究所は施設を提供し、研究費に3千万円を助成する。県庁であった共同研究の覚書締結式で、同社の林宏剛社長は「ウイルスは変異する可能性があり、流行終息後も再び脅威にさらされるかもしれない。官民の力を合わせ早く実現したい」と話した。 (大坪拓也)

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