「半歩前進」「鉄道残して」…東峰村のBRT容認に期待と驚き

西日本新聞 社会面 中山 雄介 笠原 和香子 大塚 壮 横山 太郎

 九州豪雨で被災したJR日田彦山線は、福岡県が鉄道での復旧を断念し、鉄道復旧を一貫して譲らなかった同県東峰村がバス高速輸送システム(BRT)への転換を容認する姿勢に転じた。沿線自治体からは、BRTを「地域の足」とする方向で自治体間の歩調が事実上そろったことを歓迎する一方、住民からは鉄道復旧を諦めきれない本音ものぞく。

 「(福岡県の)小川洋知事からの説明を求め、早急に中身を把握したい」。福岡県添田町の寺西明男町長は、県と東峰村の意向に驚いた様子。その上で「早期の復旧と交通ネットワーク維持に道が開けるのではないか」と期待した。大分県日田市の原田啓介市長も「東峰村がBRT案を容認するならば、半歩進んだ気がする」と好意的に捉えた。

 沿線自治体が事実上、BRT導入で一本化したことで、今後の焦点は延伸幅などJR九州との条件闘争になる。福岡県関係者は「先は決してばら色ではないが、地元が一体となってJRと交渉できれば心強い限りだ」と語った。

 ただ、住民には地域の「象徴」を失うことへの抵抗感が根強い。東峰村の住民団体「日田彦山線の完全復旧を求める会」代表の片岡拓之さん(52)は「残念でならない。鉄道を残してもらいたい思いは変わらない」。同会の佐々木茂季さん(64)は「小川知事は寄り添うと言ってきたが本当か。思いを直接聞いてみたい」と語った。

 日田市の大肥本町自治会の石井徹自治会長は「住民は早期復旧を願っていた」とする半面、こうも漏らした。「思い出の鉄道がなくなるのが決定的になり、寂しくなるなぁ」 (中山雄介、笠原和香子、大塚壮、横山太郎)

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