声に出して詩を読もう こども記者が詩人・龍秀美さんと朗読会

西日本新聞 こども面

声に出して詩を読もう(上)

 皆さんは音読は好きですか? 声に出して読むことで詩や文はさらに味わい深くなります。「詩の芽」の評を担当している詩人、龍秀美さん(福岡市在住)と一緒に、自作やお気に入りの詩を朗読する会が2月、福岡市の西日本新聞社で開かれ、こども記者ら11人が参加しました。朗読会の様子と参加者の作品を紹介します。コロナウイルスの影響でなかなか外に出られない今、詩の朗読で気分を変えてみませんか。  ((下)は明日掲載です)

【紙面】声に出して詩を読もう

 最初に詩を朗読したのは安倍陽奈さん=福岡市・小6=だ。作品は詩人、吉野弘さんの「夕焼け」。満員電車の中で何度も「としより」に席をゆずる「娘(むすめ)」の「やさしさ」について考えさせられる詩だ。柔らかな声で45行の作品を読み上げた安倍記者は、朗読すれば「詩のうまさだけでなく、どのように読んで表現するのがいいか分かるのが面白い」と感じた。

 その後、自分の作品をそれぞれが朗読した。立川日彩さんは学校の屋上にあるミカンのように見える給水タンクを詩にし、持ってきたオルゴールの音に合わせて披露した。梅野響己さんは「詩の朗読はBGMが入ると雰囲気がガラリと変わる」と感心した。

 この日はゲストとして、熊本市から魚住志帆(うおずみしほ)さんが参加した。魚住さんは2017年、こども記者として熊本地震で被災した熊本市動植物園を取材した。当時立ち入り禁止だった場所にも入り、動物たちのさびしげな様子を自分が被災した体験と重ねて、11本の連作(それぞれの詩がつながりを持ち全体で一つとなっている作品)にした。

 1本は動植物園の記事の中で紹介されたが、今回、龍さんのすすめで魚住さんは11本全てを朗読した。動物たちと魚住さんの心が一つとなった表現に、読み終えると参加者から大きな拍手が起こった。

 最後に龍さんが、豊原清明さんの詩集「夜の人工の木」からいくつかの作品を読んだ。身ぶり、手ぶりを交えて全身で詩を表現する龍さんの姿に目を見張った。魚住さんは「詩は声や音が加わることで違ったイメージになる。人の作品を読み、聞いて、いい刺激になった」と感じた。

 「みかん」 佐賀県唐津市・中1 立川 日彩

学校の屋根の上の
大きなみかん
とっても大きくて
とおくからもみえる
太陽みたいなオレンジ色で
みんなを元気にしてくれる
友達と泣いた日も笑った日も
ずっとずっと見守ってくれた
そんな君とももうお別れ
ちょっぴりさみしくなるけれど
六年間ありがとう

 「夢へ向かって」 福岡県篠栗町・中1 梅野 響己

もうすぐ中学生だ
小学校でたくさん準備したんだ
いろいろな苦労もあった
それでもくじけずがんばってきた
それにしても6年間早かったな
まるで空を飛ぶ飛行機のように
これから飛行機のように
夢へ飛び立とう

 動物たちと心が一つに 「連作・冬の動物園」全編 熊本市・中3 魚住 志帆

 「きょうふ」
あの時
地面がゆれた時
私の心はあばれだし
ふしぎな気持ちが
ふつふつとわき出てぼうそうしだす
助けてとさけびたいのにさけべない
この気持ちってなんだろう

 「緑のフェンスの内側で」
だれもいない動物園
ひびくのはわたしの声と鳥の鳴き声
動物園じゃない動物園
鳥の鳴き声が
ひめいのように聞こえてくる
だれもいない動物園
動物園じゃない動物園

 「ひびく」
静まりかえったこの場所に
私の声がひびいてる
私の足音がひびいてる
静まりかえったこの場所に
ボクの声がひびいてる
ボクの鳴き声ひびいてる

 「響く」
静かな静かな場所
私の声が響いてる
鳥の声が響いてる
本当は響かないのに
孤独をおぼえるこの気持ち
私の心で響いてる

 「こどく」
私を見てくれる人もいない
私の前にはだれもいない
私の心は静まりかえり
ふしぎな気持ちが芽ばえてく
この気持ちはこどくというもの
この気持ち
だれか消してよ

 「消したい」
この気持ち消したい
この思い消したい
この静かさを消したい
だからぼくは鳴く
いっぱいいっぱい鳴いて消す
この思いやこの気持ち
この静かさを

 「ボクと私の気持ち」
人がたくさんいた場所が
今はひっそりとしずまりかえり
鳥の声がひびいてる
ボクや私を見てた人
いったいどこへいってしまったの
ねぇおしえてよ
ねぇおしえてよ

 「だれも」
だれも見てくれない動物たち
だれも通らない道
だれも手をふってくれない
だれも会いにきてくれない
だれもたのしそうにしてくれない
だれもなにも教えてくれない

 「飛びこえて」
飛びこえたい
あの空を
飛びこえたい
人がいるところに
飛びこえたい
静かな場所を
飛びこえたい
緑のフェンスを

 「季節とおくりもの」
私の心に春がきても
動物園には冬がくる
悲しみをもった静かな冬がやってくる
私の心に夏がきても
動物園には秋がくる
少しだけ喜び持ってやってくる

 「おくりものと私と動物園」
私の心に春がくる
あたたかい風をはこんでくる
動物園に春がくる
あたたかい風と楽しみつめてやってくる
私の心に夏がくる
暑い風をはこんでくる
動物園に夏がくる
暑さと喜びつめてやってくる

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