長崎県のPCR検査、相談の3割 件数多い?少ない?

西日本新聞 長崎・佐世保版 野村 大輔

 厳格な運用が目立ったことで「検査希望者を切り捨てる『基準』になっている」と各方面の批判を浴び、今月8日に厚生労働省が見直した新型コロナウイルスPCR検査の「目安」。加藤勝信厚労相は記者会見で、検査の可否を判断する自治体側に「誤解」があったと指摘したが、長崎県は「あくまで目安で縛られたことはない」と、適正に運用してきたとの立場を示す。県内の検査数は全相談のおよそ3割。高い、それとも低い?

 37・5度以上の発熱が4日以上続く方-。今年2月に国が示した相談、受診の目安の一つ。これを弾力的に対応してほしい、と、国は県を通じて各市町や保健所に繰り返し伝えてきたという。

 だが現実はそうではなく、しゃくし定規に当てはめて、体調が悪くても検査を受けられない人が多数いた、と指摘される。国会でも問題になり、今回の修正版の目安からは体温の表記が消える代わりに、「比較的軽い風邪の症状が続く場合」との文言が加えられた。

 発熱の「壁」にはね返されて、検査を受けられなかった長崎市在住の男性がいる。4月初旬から体調が悪く味覚や嗅覚を感じなくなり、同市保健所、県央、県南、県北の各保健所に問い合わせたが、どこも「『4日以上の発熱』との規定がある、との一点張りだった」という。

 この点、県医療政策課に確かめたところ、目安を厳格に当てはめて「検査ができない、と伝えたことはない」と主張。長崎市は「発熱が4日以上続かないと、そもそも相談できない、と考えた市民はいたかもしれない」と答えた。ピーク時には1日300件の相談電話が寄せられていたといい、県などは担当外の職員も加勢していた。見えないウイルスと向き合う不安の中、行政と県民のすれ違いがなかったとは言い切れない。

 県内の相談件数は9110人(12日現在)、検査数は2577人(18日現在)。10人のうち7人は検査に至っていない。県は「不安に感じる人は相談してほしい」とあらためて呼び掛けている。

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 国はPCR検査に加えて、精度は劣るものの15~30分でウイルスを検出可能な「抗原検査」、過去に感染したかどうかが分かる「抗体検査」を組み合わせて、感染状況などを見極める方針を示している。 (野村大輔)

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