タイ国際航空が法的整理 政府系大手初か、事業は継続

西日本新聞 国際面 川合 秀紀

 【バンコク川合秀紀】タイ政府は19日、政府系国内航空最大手のタイ国際航空について、裁判所の管理下で再建を図る法的整理を進めることを決めた。近く破産法に基づき申請する。政府が51%出資する「ナショナルフラッグ」だが、放漫経営や格安航空会社(LCC)との競合激化で累積赤字が膨らんでいたところに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う全面的な運航停止が続き、当面の資金繰りに行き詰まった。

 コロナ禍で経営難に陥る航空会社が各国で相次ぐが、政府系大手の法的整理は初めてとみられる。業界を取り巻く厳しい経営環境を改めて浮き彫りにした。

 タイ政府は19日の閣議で法的整理を了承。プラユット首相は記者会見で「会社の清算ではなく事業継続に向けた決断だ」と述べた。タイ国際航空も業務継続を強調した上で「危機を脱するため経営改革を進める」との声明を出した。

 政府は3月末に非常事態宣言を発令し、国内線と国際線の運航を原則禁止。このため同社は債務返済や従業員2万人超の給与支払いに必要な資金のつなぎ融資を政府に要請。政府は再建計画の策定を求めたが調整が進まず、法的整理に方針を転換した。

 金融機関などに債権放棄を要請する一方、人員・路線の削減や福利厚生の見直し、政府出資引き下げなどが検討される見通しだが、労働組合は大規模リストラに反対する考えを表明。軍人や役人の天下りも多く、調整は難航が予想される。

 2019年12月期連結決算の純損益は120億バーツ(約400億円)の赤字を計上し、3期連続で最終赤字。昨年7月にバンコク-福岡線を増便するなど国内外で路線拡充を図ったがLCCとの競争が激化。抜本的な合理化に踏み込めないまま、コロナ禍が直撃し破綻の引き金となった。

 タイ政府は今月、一部国内線の運航再開を認めたが、国際線は6月末まで原則禁止。バンコク-福岡線など日本との定期路線も帰国希望者向けの特別便を除いて全面運休が続いている。

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