トランプ氏が“危険”な服薬 「コロナ予防」で抗マラリア薬

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

経済再開へ安心演出?

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は18日、新型コロナウイルスに有効な可能性があると自ら推奨する抗マラリア薬を服用していることを明らかにした。自身の感染は否定した。身辺で感染者が相次いだことを受けた予防措置としている。同薬の効果は立証されておらず重い副作用も指摘される。11月の大統領選をにらみ、自分で服用して国民に安心感を与え、再選の鍵を握る経済活動再開の加速を容認する世論を喚起したいとの思惑も透ける。

 トランプ氏は18日、ホワイトハウスでの外食産業関係者らとの会合で記者団の質問に応じ、抗マラリア薬について「1週間半ほど毎日服用している」と言及。米食品医薬品局(FDA)や医師らが心臓への悪影響など同薬の副作用の危険性を指摘していることについて、治療に有効との報告もあるとした上で「担当医に相談した。失うものは何もない」と強調した。

 担当医は同日夜、「服薬による潜在的な利益が(新型コロナに伴う)リスクを上回っていた」との声明を発表した。今月上旬にトランプ氏の身の回りの世話をするスタッフらが感染したが、トランプ氏は定期的に検査を受け、陰性という。

 米国では18日、新型コロナ感染による死者が9万人を超えた。近く10万人に達するのは不可避の情勢だ。トランプ氏は死者がさらに増える可能性を認める一方、コロナ禍で急激に落ち込んだ経済の早期再生に躍起となっている。感染を警戒する国民を安心させ、活発な経済活動を促すためにも治療法の確立を重視。抗マラリア薬の服用で健康を保てることを自らアピールしようとした可能性がある。

 だが同薬の安全性への懸念は拭えておらず、主要メディアはトランプ氏の意図をいぶかりつつ相次ぎ報道。プロバスケットボールNBAのチームを所有する著名な実業家キューバン氏は保守系テレビの取材で、トランプ氏の服薬を危険視し「11月までに何が起こるか分からない」と指摘。大統領選への出馬の可能性を排除しない意向を示すなど波紋が広がっている。

PR

国際 アクセスランキング

PR

注目のテーマ