「夏こそ甲子園で」夢が消えた 九州の球児、涙こらえ練習

西日本新聞 社会面 前田 泰子 坪井 映里香 稲田 二郎

「活躍する自信あった」

 全国高校野球選手権大会の中止に、2年連続の夏の甲子園出場を目指していた筑陽学園高(福岡県太宰府市)の中村敢晴主将(3年)は、同県筑前町の同校グラウンドで「まだ受け止められない。父がやった全国制覇を目標に筑陽に来たのでつらい」と漏らした。

 父寿博さん(日本文理大監督)は西日本短大付(福岡)の主将として1992年夏の甲子園を制し、自身も昨年は選抜大会8強など春夏連続出場に貢献。今夏もチーム力に手応えを感じていたが「3年生の仲間に会えて良かった。大学に行ってプロを目指します」と懸命に気持ちを切り替えた。

 創成館高(長崎県諫早市)は出場が決まっていた今春の選抜大会も中止となっており、稙田(わさだ)龍生監督は「最低でも県大会は開いて、選手らがけじめをつけるための舞台をつくってほしい」と今後検討される代替大会などの必要性を訴えた。

 今春以降も各公式大会が次々と中止。チームも全体練習を休止した時期があり、目標を見失いかけた選手もいた。個別面談などで選手と向き合い続けた稙田監督は「夏に向かってやってきたんですけど…。(3年生と)練習試合も含め一分でも長く一緒にやっていきたい」と語った。

 昨秋の九州王者で、今春の選抜大会出場も決まっていた明豊高(大分県別府市)。投打ともに充実しており、夏の大会は初の日本一を狙っていた。エースの若杉晟汰主将(3年)は「甲子園で活躍する自信はあった。悔しい」と絞り出すのが精いっぱいだった。

 チームの3年生32人は午後3時から同市内のグラウンドで練習。感情があふれ出して泣いている選手もいたが、ノックでは無心にボールを追いかけた。その後、大会中止を伝えた川崎絢平監督は「時間をかけて選手に寄り添い、次の目標などを一緒に考えたい」と語った。

(前田泰子、坪井映里香、稲田二郎)

 

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