長引く在宅に癒やし求め…犬猫の譲渡急増 「家族の話題増える」

西日本新聞 社会面 鬼塚 淳乃介

 九州各地の動物愛護センターで犬猫の譲渡や問い合わせが増えている。動物需要が高まった背景には、新型コロナウイルスの感染を防止するために在宅で過ごす時間が長くなり、癒やしの対象を求める人が増えたことがあるとみられる。

 大分市の「おおいた動物愛護センター」では、犬猫の譲渡希望者を対象にした事前講習会への参加者が1~2月は30~40組台だったが、新型コロナの感染の広がった4月に51組、5月には57組(17日現在)と増加。犬猫を合わせた譲渡数は4月の35匹に対し、5月は57匹(22日現在)まで増えており、昨年2月の開設以来最多を既に更新した。熊本県でも、犬の譲渡数が2月ごろから増え始め、4月の譲渡数は昨年4月より23匹多い77匹だった。

 福岡市や北九州市では譲渡会の中止や対応の制限があり、譲渡件数は増えていないが、「時間ができたので新たに飼いたい」といった問い合わせの電話は増えているという。

 大分市のセンターで17日に2匹の子猫を引き取った大分県由布市の自営業高野琴美さん(58)は既に飼っている猫の“友達”が欲しかったという。「ペットショップは人が多いし、周りにも新たに飼いたいという人が多い」と話した。

 動物福祉が専門の帝京科学大の加隈良枝准教授は「犬猫などの飼育は、ほとんどが家で完結し、家族の話題も増える。自宅でできることが限られる中、人々が癒やし(の対象)として動物を求めている可能性がある」と指摘。殺処分を減らす取り組みもあり、「これを機に譲渡が増えれば良いことだ」と話した。

 おおいた動物愛護センターの佐伯久所長は、新型コロナウイルスの感染が終息した後も見据えて「一時期の感情ではなく、犬猫を飼うことは大変なことと理解した上で譲り受けてほしい」と注文。福岡県古賀市の県動物愛護センターの真鍋修一所長は「自分のためだけでなく、動物たちを癒やしてあげたい。そんな思いで来てほしい」と訴えている。 (鬼塚淳乃介)

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