『俗神(ぞろぞろ)』 星永文夫 著 (文學の森・3080円)

西日本新聞 くらし面

 作者は熊本市在住。俳誌「霏霏(ひひ)」主宰。わが内なる土俗の神々を「あの世への手土産に、いまわが身を剖いて」さらすというだけに、書名も装丁も強烈な句集。疫病神はまだ登場しないが、「産の神」「稼ぎ神」「捨て神」など19章からなる。〈城落つという大音響の夜の新樹〉〈あのビルも昭和も寒に解体す〉は熊本地震を詠んだ「地変神」から。戦中派らしい〈赤紙が来るぞ来るぞと麦熟るる〉(「祈請神」)〈八月の砂場に焚書の灰降るぞ〉(「猛り神」)なども。

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