鹿児島知事選、4人乱立 告示まで1カ月 脱原発派も擁立模索

西日本新聞 河野 大介

 鹿児島県知事選(7月12日投開票)は、6月25日の告示まで1カ月に迫った。前回知事選で脱原発を訴え、野党の支援を受け初当選した現職三反園訓(みたぞのさとし)氏(62)=無所属=は今回、自民党の推薦を得て再選を目指す。これに対し、前回一騎打ちで敗れた前職ら3人が立候補を表明。野党勢力の一部と脱原発団体のメンバーも市民団体を立ち上げ、対立候補の擁立を模索する。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、構図は固まりきっていない。

 「支援をいただきながら住んで良かったと思える鹿児島をつくるべく、引き続き頑張りたい」。5月9日、鹿児島市であった後援会の事務所開きで三反園氏は、自民党県連会長の森山裕国対委員長ら国会議員2人や、知事選出馬が一時取り沙汰された森博幸鹿児島市長らを前にあいさつした。

 元テレビ朝日コメンテーターで、鹿児島初の民間出身知事となった三反園氏。「県民が主役の県政」を掲げ、1期目は県内を回って車座対話に取り組んだ。一方、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)を巡る脱原発の姿勢はトーンダウンし、前回知事選で脱原発の政策合意を結んだ相手を遠ざけた。県政運営では、県議会最大会派の自民党と歩調を合わせる。原発や安全保障などで「相反する政策を進めていない」と森山氏は評価する。

 三反園氏の推薦は県内の自民党議員の一部から異論が出たものの、全会一致で決まった。森山氏らが事務所開きに出席したのには、党内の引き締めを図る狙いがあったとされるが、コロナ対策として県が「不要不急の来県自粛」を呼び掛けるさなか、地元国会議員が東京から駆け付けたことには批判も出た。三反園氏は、14日の記者会見で反省の言葉を述べた。

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 知事選にはほかに、元鹿児島大特任助教の新人有川博幸氏(61)、前九州経済産業局長の新人塩田康一氏(54)、前職の伊藤祐一郎氏(72)の3人が、いずれも無所属で立候補する意向。3人とも三反園氏と同様、自民党に推薦願を出した。保守系の票が割れる懸念もあり、ともにラ・サール高、東大卒の官僚出身と共通点も多い伊藤氏と塩田氏については、一本化を望む声もあった。

 共産党などの野党と脱原発団体のメンバーは、保守乱立の現状を好機ととらえ、連携する。5月中旬に市民団体を発足、候補擁立を急ぐ。連合鹿児島などでつくる「5者会議」は有川、塩田、伊藤3氏いずれかの支援も視野に、6月上旬までに対応を決める方針。

 脱原発を巡っては、即時廃炉から緩やかな廃炉まで、考えに濃淡があるのが実情だ。三反園氏の脱原発政策を巡っては「変節した」(野党県議)との批判が根強いのは確か。一方で「原発立地県で脱原発を主張するのは大変」「脱原発への政策を1期目で実現するのは難しい。現職に期待したい」という脱原発派の声もある。 (河野大介)

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