この映画の主題歌は“ヨナ抜き音階”で作られています…

西日本新聞 オピニオン面

 この映画の主題歌は“ヨナ抜き音階”で作られています、とBSテレ東の「男はつらいよ」放送前に説明があっていた

▼ヨナ抜きって何だろう。本で調べ直すと、ドレミ…のファとシ(日本の古い呼び方ではヨとナ)を抜いた日本固有の音階のことで、日本人の耳には懐かしく響くという。唱歌や童謡に多く、演歌・歌謡曲にも使われているそうだ

▼えっ、この曲も?と思ったのは、昨年大ヒットしてレコード大賞を受賞した「パプリカ」のサビの部分がヨナ抜き、と知ったときだった。AKB48や星野源さんらの曲にも使われ、ロックの曲に仕込む若者もいるそうだ

▼西洋の音楽が流入する中で唱歌を生んだ明治期の先人は、西洋語をせっせと和製語に置き換えもした。政治、産業、社会、生活…。挙げたらきりがない。翻訳作業が新時代への基礎工事になった。言葉に限らず外来の波を自分たちに合わせる工夫が日本の基本形になった

▼合わせる力が弱って久しい。翻訳力の衰えはカタカナ語をあふれさせ、外来語を好んで使う人を各界で増やした。話は飛ぶが、米国流のマネー優先主義を結果的に加工を施さずに受け入れたことなどとも、どこかでつながっていそう。そうしたあれこれが私たちの国の風景から「和の味」を薄めていく

▼子どもたちが歌って社会現象になった「パプリカ」に元気をもらった人は多いだろう。旋律が日本力のDNAを刺激する。

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