コロナで「Help!映画配給会社」 独立系20社、ネットで旧作を見放題

西日本新聞 吉田 昭一郎

 独立系の映画配給20社が集まり、それぞれ権利を持つ旧作を会社別に「見放題」パックにまとめてネット配信する有料サービスを始めた。名付けて「Help! The 映画配給会社プロジェクト」。主たる配給先のミニシアター(小規模映画館)が新型コロナウイルス禍で平常営業できないあおりから収入が途絶えており、手持ちの映画で活路を開く。大手系ではなかなか見られない世界各地の多様な作品を鑑賞する好機になりそうだ。

 参加する配給会社の多くは、世界各地の映画祭などで映画を買い付けて全国各地のミニシアターで上映している。日頃は各社それぞれで活動しているが、プロジェクトとして発信力を高めようと団結した。

 参加する配給会社「ムヴィオラ」(東京)の武井みゆき代表は「今まで観客から見ると『黒子』で見えない存在だった配給会社だが、今回の挑戦で、長期戦となりそうなコロナの難局を乗り越えたい」と意欲を見せる。

 都内の映画館経営・配給会社の配信サービス「アップリンク・クラウド」を活用する。第1弾として5月15日から5社90作の配信を開始、同22日に8社137作が加わった。今後も順次、追加配信する。各社で作品数や料金、期間が違うが、いずれも8月ごろまで配信予定。

 例えば、第1弾グループのムヴィオラの場合、配信期間中は21本を2480円で見放題となる。配信作には、カンヌ国際映画祭のパルム・ドール(最高賞)や福岡アジア文化賞などの受賞歴があるタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の「光りの墓」など2本と、中国を代表するドキュメンタリーの担い手、ワン・ビン監督の「鉄西区」など6本が入っている。

 その他の第1弾グループの配信作は次の通り。

 【クレストインターナショナル】ジャン・ルノワール監督「ピクニック」、キム・ギドク監督のベネチア国際映画祭グランプリ作「嘆きのピエタ」など12本【ザジフィルムズ】ジャン・リュック・ゴダール監督「女は女である」など30本【セテラ・インターナショナル】アレクサンドル・ソクーロフ監督「ファウスト」など15本【ミモザフィルムズ】フィリップ・グレーニング監督「大いなる沈黙へ-グランド・シャルトルーズ修道院」など12本。

 武井代表は「フランス映画のクラシック、アートな韓国映画など、えりすぐりの作品ぞろい。まずは、どんな映画があるか、見てほしい」と話している。詳しくは「アップリンク・クラウド」で検索を。(吉田昭一郎)

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