かぐや姫のような竹箸? 熊本のメーカー開発、国内外で受賞

西日本新聞 熊本版 宮上 良二

 熊本県南関町の竹箸メーカー、ヤマチク(山崎清登社長)が1年半がかりで開発した自社ブランド「okaeri(おかえり)」が、全国の名品コンテスト上位入賞やアジアのデザイン賞受賞を相次いで果たした。九州産の竹を使い、技術の粋を尽くしたシンプルな箸と商品名には、「再び、日本の食卓に竹の箸を」という思いが込められている。

 okaeriは、山崎社長の長男で専務の彰悟さん(30)が企画し、昨年春に完成した。家族をイメージした、長さと持つ部分の太さが異なる5種類。人さし指の付け根に当たる上部をソフトな触れ心地になるように丸くし、指先を添える所から先を転がらないように四角く成形した。箸先は通常の木材なら割れるような細さ。「軽いのに強度があるのが竹の素材の魅力」と彰悟さん。箸の頭は「昔、食堂でよく見かけた懐かしい色」と赤色にした。

 箸を収める八角柱の紙製容器は「竹取物語」がモチーフ。ふたを取ると、竹を連想させる斜めの切り口から、かぐや姫のように箸が姿を現す。彰悟さんと社員たちの思いを、熊本市在住のデザイナー佐藤かつあきさんが形にした。

 okaeriは昨年12月、全国から名品を選ぶ「にっぽんの宝物グランプリ」工芸部門で準グランプリを獲得。今年1月にはアジアの優れたパッケージデザインを表彰する「トップアワードアジア」を受賞した。

 ヤマチクは創業57年で社員26人。6年前、IT企業勤務を経て入社した彰悟さんは、輸入木材の箸が市場の9割を占める現状に「国産の竹箸の魅力が消費者に伝わっていない」と痛感。相手先ブランドの生産(OEM)をいくつも手がけてきた高い技術力を持つ社員たちに「より大きなやりがいを」と考え、初の自社ブランドを提案したという。利用減に伴い切り出されなくなった竹が増殖し、山林を荒廃させる悪循環を改善したい思いもあった。

 彰悟さんは「okaeriが家庭のだんらんの場で、気が付けば食卓にあるような存在になってほしい」と話した。(宮上良二)

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