入居者ゼロ続く唐津市水産会館 整備費3億円…立地条件悪く、妙案なし

西日本新聞 佐賀版 野村 創

 佐賀県唐津市が約3億円かけて整備した市水産会館(同市海岸通)で、テナントがゼロになって25日で丸1年が経過した。市街地から離れて立地条件が悪く、昨年5月に海産物直売施設が撤退した後、業者から相談や問い合わせはあるものの、入居には至っていないという。市は「本年度のできるだけ早い時期に入居業者を決めたい」としている。

 会館は2013年1月に市が建設。1階に海産物の展示販売や飲食用のテナントスペース、2階に会議室などを設けた。総事業費は3億400万円。うち2億4800万円は、九州電力玄海原発プルサーマル受け入れに伴う県の核燃料サイクル交付金を充てた。

 当初は1階に水産業者が入居し、食堂と海産物直売施設を運営したが、13年9月に撤退。14年4月から1階の一部で唐津魚市場などが海産物直売施設を運営したが、19年5月25日に閉店した。市は年200万円の賃料を75%減免したが、採算が取れなかったという。

 一方、飲食用のスペースは13年9月以降、一時期を除いて空き店舗の状態が続いている。

 市水産課は1年前から入居者の公募を検討してきたが、公募条件の取りまとめに難航し、実施できていない。同課は「これまで入居後すぐに撤退しており、長く入ってもらえる方策を考えてきた」と説明する。ただ、賃料のさらなる減免について同課は「行政財産でもあり、これ以上下げていいのか」と慎重な立場。水産情報の発信や魚食振興を目的に補助金を利用したため、水産業者以外に貸すのも難しく、入居者を引きつける妙案はないという。

 市議の一人は「離れた場所にあることもあり、入居しても売り上げが見込めないという話を聞く。賃料の減免を含め思い切った手を打たないと、入居者は出てこないのではないか」と話した。(野村創)

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