<入髪(いれがみ)でいけしゃあしゃあと中の町>と江戸の川柳に…

西日本新聞 オピニオン面

 <入髪(いれがみ)でいけしゃあしゃあと中の町>と江戸の川柳に。かつらを着け憎らしいほど平然と町を歩いている-。いけしゃあしゃあの「いけ」は接頭語。「しゃあしゃあ」は水が滑らかに流れる擬音で「洒蛙洒蛙」とも書く。蛙(かえる)の顔に水をかけてもけろりとしている場面が浮かぶ

▼令和の川柳なら<小(こ)マスクでいけしゃあしゃあと永田町>。政府が全世帯に配る布マスク。「小さい」と不評で異物混入騒ぎも。店頭にマスクが出始めた今も届かない世帯は多い。「困っている時に欲しかった」とぼやく声も

▼一方、安倍晋三首相は「品薄状態を解消し、価格も下がった」とアベノマスク効果を強調する。実際は、民間がいろんなルートで輸入したマスクがだぶついているのだそうだ

▼東京高検検事長の定年延長を巡っても。前代未聞の閣議決定と法の解釈変更で正当化した人事だ。ツイッターの抗議が殺到すると、首相は「法務省が提案した」と言いだした▼当の検事長は賭けマージャンで辞任。「余人をもって代え難い」逸材のはずが。検察庁法改正が頓挫したら、一括提案の国家公務員法改正まで見送りに。首相はしゃあしゃあと「法案を作った時とは状況が違う」

▼「蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)」とばかりに批判をけろりと受け流すのは1強政権の得意技。もり・かけ問題で自信を深めたか。ただし、今回はネット世論という蛇ににらまれた蛙かも。ほら、内閣支持率がストンと。

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