【新入社員はつらいよ詳報】逆風に負けるな「厚底シューズ」たち

西日本新聞 黒田 加那 松本 紗菜子 玉置 采也加 姫野 一陽

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国に緊急事態宣言が出される中で異例のスタートを切った今年の新入社員たち。リモート研修、先輩の助言がなかなか受けられないといった逆風の一方で、成長段階でリーマンショックや東日本大震災による社会の揺らぎを経験してきたタフな世代でもある。シンクタンクが「厚底シューズ」型と例え、コロナの衝撃を吸収し、さらなる成長を期待する若者たち。西日本新聞の若手記者たちが全国各地で悩みながら、前を見据える同世代の声を聞いた。

 ◆鹿児島県の小売りサービス業女性(23) 

 同期入社は全国で約600人。入社式は4地域で分割して実施した。間隔を空けて席に座り「同じ会場の同期ですらなかなか話せなかった」と残念そう。

 1カ月程度予定されていた研修はオンラインに切り替わり、半月ほどで終了。その後は各店舗に配属された。店舗ごとに教わる内容やスピードも違い、新入社員の中でも差が生まれている。「研修が終わっていない部分があり、業務が中途半端にならないか」と心配そうだった。

 ◆広島県のブライダル業女性(22) 

 入社式は開かれないまま、オンラインでの研修が始まった。現場研修の場は結婚式だが、式そのものが開かれないため学びの場がないという。

 オンライン研修で知識は習得できた。「意欲的になってきた」という一方で「この先、現場を知らないまま接客して大丈夫なのかという不安もある」と話す。

 ◆東京都の精密機器メーカー男性(22) 

 4月に入社後、一度も出社しておらずテレワークが続く。「社会人になった実感がない」と不安を口にする。

 仕事で必要な英語や法律、ビジネスマナーはインターネットで学んでいる。ただ社内制度について学ぶ機会がなく、会社で働くイメージがつかめない。「仕事に対して不安しかない」。出社時期は今のところ未定で、在宅勤務が長引くほど不安は募るばかりだ。

 ◆東京都の繊維メーカー男性(26) 

 入社式はリモート、同期に会えないまま約2カ月が過ぎた。本来入居するはずだった社員寮が使えなくなり、会社指定のマンスリーマンションでの生活を余儀なくされている。費用は会社負担だが、6畳ほどの部屋での長期滞在は「心身共に大きなストレス」だ。

 2週間の海外新人研修も、出国制限のために中止になった。在宅でのリモート研修は「他にすることがないから集中できる」という一方、「このまま同期に会うことなく配属されるのは不安」という。

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ