覆面レスラー、タコスでファイト プロレス休業、基山町に飲食店開店

西日本新聞 佐賀版 星野 楽

 真っ赤なカウボーイハットに金色の覆面をかぶった男が調理場でまめまめしく動く。九州を中心に活動するプロレスラーのタコス・キッドさん(43)は新型コロナウイルスの影響でリングに上がれず、佐賀県基山町で経営する店でタコス作りにいそしむ。「コロナ終息を信じ、料理で町の人たちを元気にする」とファイティングポーズを見せている。

 タコスさんは福岡県八女市出身。大学時代は演劇部に所属し、演技や脚本制作に熱中した。小学生の頃からジャッキー・チェンのファン。体を張ったアクションシーン、笑いを交えながら敵を倒していく姿に憧れた。約20年前、福岡市のプロレス団体「プロレスリング華(か)☆激(げき)」を取り上げた本紙の記事を読み、「自分もアクションで観客を沸かせたい」と同団体に入門した。

 スクワット500回、腕立て伏せ300回、リングでは技の掛け合い-。ほぼ毎日、約5時間の厳しい練習が続いた。夏場は1週間連続で試合が行われる巡業もあり、「精神力が鍛えられた」。試合で各地を巡り、プロレスの本場・メキシコ出身のレスラーとも闘い、リング外では食事をともにした。「彼らの陽気な性格に触れてメキシコへの興味、愛着が湧いた」

 今年2月、基山町で子どもの居場所作りに取り組む知人から、預かり施設の空きスペースの活用策を持ちかけられた。「以前から飲食業に挑戦したかった」とタコスさん。営業の傍ら、子どもたちに無料で食事を出す構想を練り、好物のタコス料理に決めた。

 福岡市内のメキシコ料理店を食べ歩き、材料や味付けを独学。3月24日、基山町宮浦に「TACOS☆KID」をオープン。初日は町民やプロレスファンら約30人が訪れたという。

 平日はマスク姿で調理場に立ち、休日はリングに上がる生活を送ってきたが、新型コロナの影響でプロレスの試合は当面中止となり、練習場も閉鎖。それでも「何度でも立ち上がるのがプロレスラー。絶対に負けません」。自宅や近所の公園で筋トレに励む。「コロナが収まったら基山町で試合をしたい。タコスも振る舞えたら最高です」と力を込める。

 タコスは、チリコンカン、チョリソー、照り焼きチキンの3種類。いずれも500円。好みに応じて辛さを調節するため、「子供やお年寄りもかぶりつける」。火、水、木曜日の営業で、午前10時~午後5時。 (星野楽)

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