イチゴ新栽培へ資金募る データ公開、同業者応援 久留米の観光農園

西日本新聞 筑後版 丹村 智子

 福岡県久留米市大善寺町のイチゴ観光農園「うるう農園」が、安全でおいしいイチゴの新しい栽培法を確立しようと、研究用ハウスの建築費をクラウドファンディング(CF)で募っている。今夏の建設を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で資金が不足。CFで実現できれば、得られたデータは他の農家にも公開して、栽培に悩む同業者や新規就農者を応援したいという。

 農園を経営する古賀さん夫妻は就農3年目。夫の智樹さん(26)は元ノリ漁師で、妻の百伽さん(26)は保険の営業をしていた。幼い頃からアレルギーに苦しんだ経験がある百伽さんが農業の世界に飛びこみ、智樹さんが合流した。

 イチゴは栽培に1年かかるため、農薬が蓄積しやすい。食の安全性にこだわる古賀さん夫妻は、先輩農家の手ほどきを受け、試行錯誤しながら低農薬のイチゴ栽培にこだわってきた。農園の評価は口コミで広がり、昨年度の観光情報サイトのランキングで九州1位にも選ばれた。同業者や新規就農を考える人が相談に訪れるようにもなった。

 「温暖化が進み、肥料も変化しているのに、教科書にある栽培方法は更新されていない」と疑問を抱き続けていた古賀さん夫妻。そこで肥料の種類や土壌の水分、ハウス内の二酸化炭素濃度などの条件を変え、イチゴの味や水分量への影響を数値化しようと考えた。

 今夏からその実験に取り組むため、今春の収入で実験用ハウスを建てる予定だったが、コロナウイルス感染拡大による4月初旬の緊急事態宣言を受けて休業を余儀なくされた。ハウス用の土地(約500平方メートル)は既に購入していたが、資材やデータ計測用の機材を買う資金が不足した。

 そこで考えたのが、目標金額100万円のCF。実験結果はインターネットで公開し、同業者や新規就農希望者にも役立ててもらおうと考えている。百伽さんは「安全でおいしいイチゴを生産する農家が増えれば、ひとりの消費者としてもうれしい」と話す。

 CFサイト「キャンプファイヤー」で6月末まで募り、お礼品として来季収穫するイチゴなども用意している。コロナ禍で一度は頓挫しかけた計画だが、百伽さんは「個々の努力が、コロナ後の社会の回復につながるはず」と前に進み続ける。 (丹村智子)

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