「日常の足」維持に危機感 筑豊線など利用促進へ知恵絞る自治体

西日本新聞 総合面 野村 創 中村 太郎 長 美咲

 JR九州が27日に公表した線区別収支は、「赤字ローカル線」の実態が鮮明となった。沿線自治体からは路線維持への危機感がにじんだ。

 「住民の足として非常に大事な路線。乗る人が少なくなると、そういった(廃止)議論も出るかもしれない」。筑肥線(伊万里-唐津間)沿線の佐賀県唐津市の岡部高広・都市計画課長は、神妙な面持ちで語った。

 同市とJR九州、佐賀県、同県伊万里市は昨年12月に検討会を設置、利用者増への施策を協議している。唐津市は「通勤・通学者の利用増加へ、自宅からの自転車をそのまま車両に載せて運行することを提案したい」としている。

 南九州3県にかかる肥薩線(八代-隼人間)の周辺16市町村でつくる「肥薩線利用促進・魅力発信協議会」会長の松岡隼人・熊本県人吉市長も「非常に厳しい数字という認識だ。地域一帯でさらに利用促進に取り組みたい」とコメントした。

 同市は2015年に人吉駅前に開設した観光施設の鉄道ミュージアムを軸に、肥薩線の歴史的価値をアピールしている。協議会事務局は「通学や高齢者の日常の足として欠かせない上に、南九州3県をまたぐ観光の柱。存続させるためにも、価値をもっとPRしないと」と危機感を示した。

 17年度(参考値)の平均通過人員が1987年度と比べ約8割減少していた筑豊線(桂川-原田間)。福岡県桂川町の井上利一町長は「乗客が減っているのは肌感覚で分かっていた。驚く数字ではない」と冷静に受け止めた。一方、「利用する町民の利便性を確保しなければならない。路線が維持されるのは大前提で、今後も存続されるものと考えている」と強調した。 (野村創、中村太郎、長美咲)

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