人出徐々に、不安はなお 緊急事態解除から2週間の福岡市街地

西日本新聞 ふくおか都市圏版 岩崎 さやか 松本 紗菜子

 新型コロナウイルス特別措置法に基づき、県内に出されていた緊急事態宣言が解除されて28日で2週間。解除直後に比べて商店街などでは人出が戻り、一部ではにぎわいも見られるが、本来の状態にはまだ遠い。感染終息も見通せず、飲食業関係者らの不安は依然大きいままだ。福岡市内で街の人の声を聞いた。

 「売り上げは本来の3分の1ほど減少していたが、半分にまで戻った。人通りも客も徐々にだが戻ってきている」。27日、福岡市・天神の新天町商店街で創業66年の老舗釜飯店の加藤康裕店長(63)は、店先でテークアウト販売をしながら語った。アーケード内は「守ろう!社会的距離」と書かれたのぼりの下を、マスク姿の大勢の買い物客らが行き交っていた。

 別のうどん店は、大型連休後に約3週間ぶりに営業を再開。だが、売り上げは通常の半分ほどで従業員を1人減らしている。男性店長(47)は「早く元に戻ってほしいが、今後が読めない。急に客が増えたときに、従業員が少ないままだといいサービスが提供できないし…」と戸惑い気味だ。

 同市・中洲のレストラン「on A TABLE」は4月初旬に休業した後、5月からテークアウトや食事宅配サービス「ウーバーイーツ」を使った宅配に絞って営業を続けている。

 店内での営業再開予定は6月1日。来店客は1テーブルにつき4人までに限定し、スタッフの検温や定期的な換気などを徹底する計画だ。宅配向けのコース料理の準備も進めている。ゼネラルマネジャーの犬山紗織さんは「(感染の)第2波、第3波の可能性があり、梅雨になると、そもそも客足が遠のいてしまう。当面3カ月くらいは売り上げが戻らないだろう」と気をもむ。

 宣言解除後、街中を走るウーバーイーツの配達員が減った。新型コロナの影響で営業職を解雇され、配達員になった女性(27)=同市中央区=は「思ったより稼げない。ほぼ毎日、時間帯に関係なく働いているが収入はこれまでの半分くらい」。配達員の仕事と並行して就職活動もしている。

 コロナ禍で企業の働き方は変わった。同市早良区の会社員男性(64)の勤務先では、移動自粛の影響で、東京や大阪とテレビ会議が行われるようになった。「テレビだと移動コストなどがかからず、効率がいい」と働き方を見直すいい機会になったという。一方で、「信頼関係を築くには対面も必要。オンラインとの兼ね合いが大事」と語った。

 JR博多駅は宣言解除後、朝夕は通勤客などが一部戻ったが、日中の駅前広場は、まだ人がまばらだった。 (岩崎さやか、松本紗菜子)

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