コロナ禍の支援、どうやって寄付? 税控除も確認を

西日本新聞 くらし面 川口 史帆

 新型コロナウイルスの影響が広がる中、国が支給する1人10万円の特別定額給付金をきっかけに、寄付を検討する人も増えているのではないだろうか。寄付文化の発展に取り組むNPO法人「日本ファンドレイジング協会」(東京)代表理事の鵜尾(うお)雅隆さん(51)に、寄付の方法や注意点について聞いた。

 日本の寄付の規模は拡大傾向にあるという。同協会によると、国内の個人寄付総額と人数は2010年の4874億円、3733万人から、16年には7756億円、4571万人に増加。鵜尾さんは「11年の東日本大震災が大きな契機になり、寄付行動が社会全体に浸透し、定着した。近年、多様な受け皿を作る動きも増えている」と分析する。

 これまで震災後などには、共同募金会や自治体を介して被災者に分配する義援金が大きな受け皿だった。一方、コロナ禍の影響を受けているのは医療従事者や経営難の事業者、困窮した個人など幅広く「ここに寄付すれば困っている人に行き渡る」という分かりやすい窓口がない。そこで、一人一人が寄付先を選ぶスタイルが広がっている。

 共同募金会に託したり、施設や団体に直接寄付したりもできるが、活用が進んでいるのが、インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)だ。CFは個人でもプロジェクトを立ち上げられるため、寄付を募りやすい。応援したい人や事業を直接支援できる。

 CFには資金提供の見返りがある「購入型」と対価がない「寄付型」があり、寄付型を活用して支援事業をする団体も増えている。北九州市のNPO法人「抱樸(ほうぼく)」は、CFサイト「READYFOR」(レディーフォー)で、コロナの影響で仕事や住居を失った人への支援資金を募っている。

 分野だけ指定したい人への選択肢もある。今月8日、ヤフーなど3団体が始めた「コロナ給付金寄付プロジェクト」では、(1)医療(2)福祉・教育・子ども(3)文化・芸術・スポーツ(4)経営困難に追い込まれた中小企業-の分野別に100円から寄付でき、審査に通った団体へ助成金が配られる。

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 寄付する際、知っておきたいのが控除の制度だ。地方公共団体や認定NPO法人など、国が認めた団体へ寄付すると、所得税や住民税が減税され、寄付した額の最大5割近くが事実上還付される。一方、認定外のNPO法人や、一般社団法人、個人、企業は対象外だ。対象かどうかは、団体のウェブサイトなどで調べられる。

 控除には、課税の基準となる「所得」から一定額を差し引く「所得控除」と、所得税そのものを減額する「税額控除」がある。認定NPO法人や公益財団法人などへ寄付した場合、どちらか選べる。所得税率が40%を超える高額所得者を除き、多くの人にとって税額控除の方が得になる。

 さらに、都道府県や市区町村が条例で指定する団体に寄付すると、寄付金額から2千円を引いた額の最大10%、住民税が減額される。自治体ごとに指定する団体が異なるので確認を。

 確定申告も必要なので、寄付後に団体から発行される領収書や証明書をなくさないように気を付けたい。

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 寄付は黙ってするものという意識は根強いが、鵜尾さんはどこに何円贈るかを家族らと話し合ってみることを勧める。誰が困っているかを意識することから、支援は始まる。子どもにとって、社会について学ぶ機会にもなる。「コロナ禍では対面するボランティア活動は難しい。そんなとき、寄付は『孤独じゃない』と寄り添うメッセージにもなる。積極的に調べて行動を」と呼び掛けている。

(川口史帆)

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