「第2波」備えどうしたら? 福岡県、検査態勢や病床数は拡充

西日本新聞 社会面 斉藤 幸奈 山下 真

専門家「一人一人が予防徹底を」

 新型コロナウイルスの感染者数が北九州市で急増し、「第2波」への懸念が強まっている。検査態勢や受け入れ可能な病床は拡充しているが、前回以上に急激に感染が広がった場合には混乱も予想される。医療崩壊を避けるためにも、できるだけ流行の波を小さく抑えることが必要で、専門家は「一人一人が感染予防の行動を徹底することが大事だ」と訴える。

 「感染を疑ってもPCR検査が受けられない」。4月には多くの医師や患者からこんな不満の声が上がった。福岡県によると、県内3カ所の地方衛生研究所が1日に検査できる件数は3月上旬は計144件だったのに対し、5月21日時点では536件。検査能力は4倍近くに増強した。

 検査に必要な検体を採取できる場も広がっている。当初は、医療用マスクや防護服などの感染防止策を講じられる医療機関が中心だった。現在は、対象者が車に乗ったままでも採取できるドライブスルー方式などを導入した「PCRセンター」が県内17カ所で稼働。6月中に、さらに数カ所増設する予定だ。県医師会で感染症を担当する稲光毅理事は「検査態勢はある程度充実した。流行の兆しを捉えるためには、PCR検査による感染者数の把握が欠かせない」と話す。

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 医療機関も備えを強化する。当初、県内12の指定医療機関の感染症病床は66だったが、受け入れに協力する病院も増え、490床まで伸びた。570床を目指して確保を進めているという。無症状や軽症者向けの宿泊施設も826室用意している。

 感染者を受け入れる福岡市内の病院長は「感染防護用のガウンやマスクの在庫は4月に比べると余裕がある。院内感染を防ぐための動線の分離にも医師や看護師が慣れてきており、以前よりスムーズに患者を受け入れられる」とする。

 県が集計している範囲で入院患者が最も多かったのは4月13日の258人。院長は「準備は進めているが、前回以上に感染が拡大すれば医療崩壊の危機が訪れるだろう。できるだけ流行の波は小さく抑えたい」と強調する。

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 医療現場では緊張を強いられる業務が続き、疲労も蓄積している。ある医療関係者は「5月に入りようやく少し落ち着いたばかり。疲労を回復させ、万全の準備で立ち向かうためにも、第2波は少しでも先の方がいい」と話す。

 市民はどう対処すればいいのか。九州大医学研究院の柳雄介教授(ウイルス学)は「北九州市の感染増加が大流行につながるかは分からないが、感染者の増減は続く」と指摘。至近距離で人と接する際にはマスクを着用し、「3密」を避け、手洗いを励行するなど「新型コロナウイルスが社会に存在し続けると覚悟し、行動しないといけない」と語った。

(斉藤幸奈、山下真)

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