北九州モデルで「第2波」対抗へ 濃厚接触者全員にPCR検査

西日本新聞 一面 竹次 稔 内田 完爾 一瀬 圭司

感染者の早期発見を優先

 新型コロナウイルスの感染が再拡大している北九州市は、PCR検査の対象を無症状の濃厚接触者にまで拡大し、クラスター(感染者集団)の追跡によって感染者を可能な限り絞り込むなど「第2波」(北橋健治市長)の一日も早い収束に懸命だ。目指すのは感染経路不明者を減らしつつ、早期発見で把握した感染者を治療、周りに接触させないことで拡大を抑え込む「北九州モデル」の確立。第2波は、人口密集地を発火点に都道府県レベルに広がることも想定され、それを「点」に抑え込めるかが今後の課題となってきている。

 同市のPCR検査数は30日136件、29日160件、28日が117件。これ以前の100件超えは4月15日までさかのぼる。再び感染者が出た今月23日から8日間で濃厚接触者は計404人となり、このうち30日までに290人のPCR検査が終了し、53人の陽性が判明した。

 市は従来、濃厚接触者のPCR検査については有症者に限り、症状がない人は経過観察としていた。

 無症状を含む全ての濃厚接触者の検査に踏み切ったきっかけは、第2波の発表初日となった23日。「市内で感染再発」の情報を受け、各医療機関が救急搬送で運ばれたコロナと無関係の患者を念のため調べたところ、次々と感染が発覚した。その一つ、門司メディカルセンター(門司区)では医療スタッフのクラスターが確認された。

 検査対象を広げれば、確認される感染者数も増えることは想定され、対外的に「市内で感染が広がっている」との印象を与えることは市も覚悟の上だ。

 30日まで8日間の感染者は経路不明32人を含む85人と増加の一途だが、北橋市長は「第2波の中、日本で初めて早期発見、早期治療のため全員を検査している。無症状の陽性者も多く出るが、短期決戦で収束させるには必要だ」と強調する。

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議構成員で東北大の押谷仁教授は「地域の中で感染が検出されないまま、伝播(でんぱ)が続くことがあり得る」のが、この感染症の特徴の一つとみており、「それが突然、顕在化してきた」と分析する。

 一方、感染経路不明者の割合は30日までの8日間で約37%と、27日までの約77%(22人中17人)から半減。濃厚接触者の比率が高まってきたためで、市の狙い通り感染者の「早期発見」が進んでいるともいえる。

 今後、同市以外でも第2波が襲来する恐れは十分にあり、押谷氏は「地域の中で隠れてしまっているクラスターや感染連鎖をいかに早く検知していくかが課題だ」と指摘する。

(竹次稔、内田完爾、一瀬圭司)

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