“心霊スポット”で迷惑行為 映画公開の影響?旧犬鳴トンネル

西日本新聞 社会面

 福岡県の久山町と宮若市にまたがる旧犬鳴トンネルに、夜間に訪れる若者の心ない行為のため、住民とトラブルになる事例が相次いでいる。同所を題材にしたホラー映画(2月公開)の影響とみられ、県外ナンバーの車も目立つ。もともと“心霊スポット”として知られた場所で、過去には殺人事件も発生。動画配信や肝試し目的とみられるが、付近にはごみも散乱。侵入防止のためのフェンスを破る悪質な行為もあって、地元が対応に苦慮している。

 「若者らが連日のようにたむろして、ごみを捨てていく。注意しても無視されるし、逆に身の危険すら感じる」。久山町側の住民男性はこう証言する。

 旧トンネルは、県道福岡直方線の新犬鳴トンネル近くにあり、現在は通行できない。周辺の道路に陥没や落石があり、両自治体で入り口に門を設け、侵入を禁じている。監視カメラも設置している久山町側では、ビールの空き缶やペットボトル、たばこの吸い殻など大量のごみが落ちている。トンネルをふさぐブロック塀にもスプレーで落書きが多数見つかっている。

 近くの男性によると、ゴールデンウイークに若者が急増。島根や茨城ナンバーの車もいた。男性は新型コロナウイルスによる外出自粛で街中に出歩けず、人目につきにくい山中に集まった可能性を指摘。「ごみの量は(映画公開前の)10倍ほどになり、落書きも増えた。夜は怖くてとても近寄れない」と不安を漏らす。道を遮るように大きな石が並べられたり、花火の残骸が散乱したりしていたこともあった。

 久山町は5月11日、旧トンネル手前のフェンスが壊されているのを確認。器物損壊事案として、県警に被害届を提出した。町都市整備課は「トンネル付近は町有地であり、不法侵入を看過できない」と訴える。一方、宮若市は市有地への立ち入り禁止の警告文を掲示し、「未舗装の場所もあり、けがをするので立ち入らないで」と呼び掛けている。

 粕屋署によると、映画公開以降、久山町側の住民らからの通報は、過去3カ月0件だったのに対して20件発生(5月28日現在)。職務質問の対象者は延べ182人に上ったという。署は重点的にパトロールをして警戒に当たっている。

 現場付近では1988年、少年グループによるリンチで男性=当時(20)=が殺害される事件が起きた。久山町の住民は「過去の事件のような犯罪の温床になる。不法侵入や迷惑行為をやめてほしい」と口をそろえ、道路の完全封鎖などの対策を町に訴えている。 (宮下雅太郎)

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