学校再開、3カ月の遅れどう克服 オンライン授業の検証など課題

西日本新聞 熊本版 長田 健吾 和田 剛

 新型コロナウイルス感染防止のため休校していた熊本県内の公立学校が1日、約3カ月ぶりに再開した。熊本市では休校中、オンライン授業や宿題プリントなどで家庭学習が進められたが、各学校で態勢に差があり、どこまで「学習機会の確保」につながったかは未知数だ。学校現場は、感染の「第2波」に備えながら学習の遅れを取り戻すという難題に直面している。

 同市中央区の白川小では1日午後2時、2カ月遅れの入学式が行われた。新入生83人や保護者、教員は全員マスク姿。座席の間隔が広げられ、新1年生に校内での感染予防策の説明もあった。「晴れの日」らしからぬ異例の光景に、保護者からは「北九州の学校の例もあるので心配」「読み書きの遅れも不安だ」などと心配する声も漏れた。

 市教育委員会は休校措置を受けて、学校を通じて各家庭にパソコンやタブレット端末の保有状況を調査。端末を貸すことで「小学3年以上と中学校全学年でオンライン授業が実施可能」と判断し、3月中旬から各校が段階的に導入した。中学校では全員に端末が行き渡ったものの、小学校では端末が足りず1週間ごとに実施学年を変えた学校もあったという。

 5月7~19日に教科書に沿ってオンライン授業を行った熊本市北区の北部中では2日目の終了後、2年生の保護者に「約3割の生徒が欠席の連絡なしに授業を受けていない」とメールが届いた。その後、参加率は85%に上がったが、長期休校中の子どもたちの生活リズムを保つ難しさも浮き彫りになった。

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 ただ、市教委指導課は、オンライン授業による学習の進み具合や実施時間は調べず、学習の回復策も「各校で考えてほしい」とする。5月下旬の教育委員会会議では、出席者から「感染第2波の到来は想定していないのか」「なぜ学校再開前にオンライン授業の検証をしないのか」と疑問の声が上がった。

 授業の「質」にも不安が残る。オンライン授業の実務を担った市教育センターは「動画配信への慣れ、という教員の指導スキルや、配備された端末数などで、学校間に隔たりがあったのは間違いない。学習の進み具合や深度にも差が出る可能性はある」と認める。

 帯山西小(同市中央区)では、学習の定着度を把握した上で授業内容を決め、1学期終了までに遅れを取り戻すことを目指す。1年担任の女性教員は「休校中はほぼ何もできず、読み書きの遅れが心配だ」。6年生の担任も「授業のスタートラインをそろえないと、付いていけない児童が出てくる」と心配する。

 再び感染が拡大して長期休校に追い込まれたとき、今回の経験を生かし、学習機会を確保できるのか。平野修校長は「何が最適かは正直分からず、現場は大変だ。手探りだが、私たちがやるしかない」と話した。(長田健吾)

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休校中の学習事例を県教委HPで公表

 県教育委員会は1日、熊本市を除く小中学校で休校中に取り組んだ学習方法のうち、16の事例をホームページで公表した。新型コロナの「感染第2波」に備えて参考にしてもらう狙い。

 情報通信機器を使った例は、オンライン授業(高森町立高森中、山江村立山田小)▽学校ホームページからの動画配信(益城町立木山中、天草市立稜南中)▽ケーブルテレビ(八代市立坂本中)。このほか、家庭学習の時間割の立て方や、教科書を使ったプリントなどを挙げた。(和田剛)

 

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