観光地「やっと」ライブハウス「恐る恐る」 自粛緩和、楽しみ方模索

西日本新聞 社会面

 九州各県が要請していた県境をまたぐ移動の自粛が緩和された1日、観光地には本来の姿ではないが、客足の一部が戻ってきた。福岡県ではカラオケなど一部業種への休業要請を解除。待ちわびた利用者と再開する施設側は、共に感染対策に気を配りながら、新たな楽しみ方を模索した。

県境移動緩和

 「帰ってきた感じで落ち着く」。約2カ月ぶりに再開した大分市の高崎山自然動物園。週1回通っていたという山口県下関市の女性会社員(60)は、休園中に生まれ、初お目見えとなった赤ちゃんザルの愛らしいしぐさに心を和ませた。園では、入園口とサルの寄せ場をつなぐモノレールの乗車人数を制限した。

 2カ月ぶりに再開した福岡県太宰府市の大宰府展示館は、職員らが奈良装束を身にまとってお出迎え。神戸市の男性(74)は「さすが令和の里、雰囲気がいい」と見入った。一方、太宰府天満宮を知人と車で3時間かけて訪れた山口市の上田祐輔さん(30)は「息抜きしたいが、公共交通機関を使うのはまだ怖いね」。

 長崎市では、世界文化遺産の軍艦島(端島)や長崎原爆資料館など57施設が再開。1日数千人が来園する観光名所のグラバー園だが、この日は午後3時までに50人程度。「少しずつ戻っていけば」と担当者。福岡県うきは市の会社員、深町大樹さん(31)は「行きたい場所に行けるようになって良かった」と満足げだ。

休業要請解除

 福岡市のジャズライブハウス「ニューコンボ」は約1カ月半ぶりに営業を全面再開した。ライブ時間は、従来の半分の1時間。曲間や司会時は扉を開けて換気し、歌い手の前にはアクリル板を設置した。「コロナが終わったわけじゃない。恐る恐るという感じ」と店主の有田幹治さん(52)。

 カラオケ店チェーン「コロッケ倶楽部」は、福岡県内全34店舗で営業時間を短縮して再開した。「一人カラオケ」や家族連れなどの比較的少人数の利用が増えているという。業界では、早々に営業を再開した店も少なくないが、運営するボナー(北九州市)の歌野繁美社長は「地元企業として要請継続を聞き入れた。今後従業員や取引先に恩返しをしたい」と前を向いた。

 福岡市で子どもの運動塾を展開する「MIKIファニット」は、チアリーディングのレッスンを再開。同市西区の福岡西校ではマスク姿の年長児3人が体を動かした。当面は声出し厳禁。同区の芝麻湖ちゃん(5)は「楽しかった。間違えて声を出しそうだった」とうれしそう。太刀山美樹社長は「運動の習慣をなくしたくない。できることを最大限やりたい」と話す。 (新型コロナ取材班)

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