コロナ対策が熱中症リスクに 医師に聞く予防法

西日本新聞 くらし面

 気温が上がり始め、熱中症に注意したい季節がやってきた。今年は新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、体が暑さに慣れていなかったり、マスクの着用で熱が体内にこもりやすい状況になっていたりと、例年以上に熱中症のリスクが高まっている。積極的な水分補給など、日頃からの予防が重要になりそうだ。

 熱中症の予防啓発団体「教えて!『かくれ脱水』委員会」は5月、予防と早期対処を自分で実践し、医療機関を受診する機会を最小限にとどめるよう求める緊急提言を公表した。副委員長で済生会横浜市東部病院・患者支援センター長の谷口英喜医師は「現在、医療現場は新型コロナへの対応が優先です。熱中症の搬送者数を減らすため、個人が予防を徹底してほしい」と呼び掛ける。

 谷口医師によると、本来は高温多湿になり始める5~6月に外で体を慣らし、汗をかいて体温調節できるようにする「暑熱順化」を行うが、今年は外出自粛で体が対応できていない状況にあるという。また、運動不足で水分をためられる筋肉が減り、脱水症状が出やすい状態にもなっているという。

 マスクを着けると熱がこもる上、口の中が湿って喉の渇きを感じにくくなったり、着脱が面倒で水を飲む回数を減らしたりしてしまうことも、熱中症リスクを高める一因になる。「加齢に伴って喉の渇きに鈍感になり、筋肉量が低下している高齢者は特に注意が必要です」。

 熱中症の初期症状は脱水症だ。まずは、薬と同様に時間を決めて、十分な水分を補給するよう心掛ける。「3食食べるようにし、水分と塩分をきちんと摂取して」と谷口医師。食欲がない場合は、1食当たり500ミリリットルの経口補水液を飲むといい。

 経口補水液は常備しておくと安心だが、自宅で作る方法もある。砂糖20~40グラム、塩3グラム、水1リットルを混ぜ、レモンなどを搾れば出来上がり。ただ、嘔吐(おうと)や下痢などの症状が既に出ている場合は、カリウムが含まれている市販の経口補水液を飲もう。

 筋肉量を維持するため、運動を継続することも大切になりそうだ。とはいえ、過度な筋力トレーニングなどは必要なく、「座っている時間を減らし、体を動かす機会をつくるだけでいい」とアドバイスする。

 万が一、熱中症の症状が出たらどうするか。谷口医師は「初期治療は自宅でできる」とし、意識がある状態なら経口補水液を飲み、涼しい場所で体を冷やすようにすることが大切という。「熱中症はきちんと予防すれば、ゼロにできる病気だということを覚えておきましょう」と話している。

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