「スーパーシティ」とは? 人工知能を活用 個人情報取り扱い懸念も

西日本新聞 総合面 川口 安子 黒石 規之

 人工知能(AI)などを活用した先端都市「スーパーシティ」構想の実現に向けた改正国家戦略特区法が今国会で成立、3日に公布されます。国は夏から秋にかけて希望自治体を公募し、年内に5地域程度を選ぶ予定です。九州の自治体も関心を寄せていますが、一方で個人情報の取り扱いに心配の声も上がっています。

 Q 「スーパーシティ」とは何ですか。

 A AIやビッグデータなど最新の技術を社会実装し、2030年ごろの未来都市像を先取りして実現する構想です。在宅のまま医療や教育のサービスを受けたり、自動運転のバスやドローンによる宅配を利用できたりといった、便利な暮らしを目指しています。

 Q どのように実現するのですか。

 A 複数の担当省庁にまたがる法律や政令の規制緩和が必要となります。改正国家戦略特区法では、選定された自治体が住民の同意を得た上で、国に申請。首相がトップダウンで関係省庁に要請することで、手続きが迅速化するとしています。

 Q 住民の同意はどうやって得る仕組みなのですか。

 A 改正法には「住民その他の利害関係者の意向を踏まえなければならない」と書いてあるだけです。地方議会の議決を得るなど、具体的なルールは定めていません。改正案の採決時は、多くの野党が「住民の合意形成の過程が不透明だ」として反対しました。

 Q 個人情報はどう扱われるのですか。

 A 自治体が選ばれると、行政や金融、医療など複数の機関で別々に管理されている個人情報などを官民で共有し、活用する「データ連携基盤」をつくらなければなりません。例えば、要介護者の多い地域に乗り合いタクシーを走らせる場合、自治体が管理している住民の要介護度情報と、病院管理の通院歴などを共有することが考えられます。

 国は「個人情報保護法に従い、必要な場合は本人の同意を得ることになる」と説明していますが、誰がどういう基準で「必要」と判断するかは明確でありません。改正法に詳しいNPO法人アジア太平洋資料センターの内田聖子共同代表は「法律には抜け穴が多く、それぞれの地域で注意深く自治体の動向をチェックしなければならない」と指摘しています。

 Q 九州ではどんな動きがありますか。

 A 国が事前に参考として、自治体から「スーパーシティ」のアイデアを募ったところ、全国54団体が参加。九州からは北九州市、福岡県大刀洗町、熊本県多良木町、鹿児島県大崎町が提案しました。また、福岡市も情報収集を進めており「今後の国の詳細な制度設計を踏まえて、公募に応じるかを検討する」としています。

 (川口安子、黒石規之)

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