地場企業、職場分散化の兆し 3密回避で問い合わせ増

西日本新聞 総合面 石田 剛

 九州の地場企業では、オフィスの撤退や縮小の目立った動きは出ていない。ただ不動産業界関係者によると、今後、東京の企業の動向が影響を与える可能性がある。感染症予防策として3密(密閉、密集、密接)を避けるため職場を分散化する需要も見込まれ、既にサテライトオフィスを求める問い合わせも出ている。

 オフィス仲介大手の三鬼商事福岡支店と三幸エステート福岡支店がまとめた、福岡市中心部にあるオフィスビルの4月末時点の平均空室率はいずれも2%台前半。慢性的な空室不足が続いている。三幸エステートの中村龍治支店長は「オフィス需要に大きな変化はまだ見られない。九州は通勤時間が東京より短く、テレワーク需要も小さいのではないか」と話す。

 東京と地方の不動産市況は数カ月から1年程度の時間差で影響が表れるとされる。中村支店長は「東京でオフィスの縮小が進むようなら、2~3カ月後に地方にもその波が来る可能性がある」と指摘する。

 近年、人気の高かった大規模なオフィスから、分散化を図るために中小規模のオフィス需要が高まる可能性もある。貸しオフィス大手の日本リージャス(東京)が福岡市・天神に今月1日に開いた施設には、サテライトオフィスとして利用を検討する企業の問い合わせが相次いでいるという。

 オフィスの見直しを始めた地場企業もある。福岡市のソフトウエア開発会社ヌーラボは、新型コロナの影響でテレワークを全面導入したのを機に縮小を検討する。橋本正徳社長は「オフィスの必要性を問い直す。コロナ前に戻ることはない」と語る。 (石田剛)

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