玉城知事派薄氷の勝利 「辺野古反対は民意」強調 沖縄県議選

西日本新聞 総合面 高田 佳典

 沖縄県議選(定数48)は7日投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー知事支持派が25議席を獲得し、過半数を維持した。昨年2月の県民投票、その後の国政選挙に続き「辺野古ノー」の民意を得た格好だが、議席を増やした野党との差はわずか2議席。薄氷の勝利に玉城氏の求心力低下を懸念する声もある。野党側は支持派議員の取り込みに動きだしており、玉城氏は綱渡りの県政運営を強いられることになりそうだ。

 「県政運営に一定の評価をいただいたが、結果的には議席を減らした。真摯(しんし)に県政運営に当たりたい」。全議席が出そろった8日午前0時半ごろ、那覇市の知事公舎前で記者団の取材に応じた玉城氏の表情は終始こわばっていた。

 知事に就任して1年8カ月、初の県議選は玉城県政の中間評価。知事支持派は辺野古移設を主要争点に据え「反対の民意を改めて示す」(関係者)としていたが、ふたを開ければ重鎮が落選するなど改選前より1議席減。議長選出で1議席差になる上、野党側に支持派議員を1人でも切り崩されれば、与野党が逆転することになる。

 辺野古移設を巡っては、軟弱地盤の改良工事に伴い防衛省は今年4月、計画変更を県に申請。玉城氏はこれを承認しない構えで、法廷闘争も視野に入れる。だが、与野党逆転すれば「あらゆる手段を講じて辺野古移設に反対する」との県政運営に「待った」がかかるのは間違いない。玉城氏が「予想していたよりも非常に厳しい結果」と語るのはこのような危機感の表れだ。

 「辺野古反対の民意は揺らいでいない」。玉城氏は8日未明、自らを鼓舞するように語気を強めた。

 一方、野党の自民は県議選で初めて「辺野古容認」を公約に掲げ、3議席増。新型コロナウイルス対応や検察庁法改正案を巡り安倍政権の支持率が下落するなど逆風も想定されたが、逆に知事支持派との差を縮めた。公明党が直前に2人の擁立を断念したこともあり過半数奪還はならなかったものの、自民県連幹部は「ほぼ目標通り。勝ったと思っている」。安倍晋三首相も8日の自民党役員会で「議席数を伸ばして善戦できたのは、大変大きな成果だ」と評価した。

 2年後には知事選が控える。「(辺野古問題への)雰囲気が変わってきた」。政府高官は手応えを口にした。 (那覇駐在・高田佳典)

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