コロナで受診控え、病院経営に影 高齢者ら感染を恐れる?

重症化回避へ来院呼び掛け

 新型コロナウイルスの影響で佐賀県内の医療機関に経営悪化の懸念が広がっている。新型コロナの感染を恐れて他の疾患を持つ高齢者らが受診控えしているとみられ、患者数が落ち込んでいる。第2波に見舞われた北九州市のように病院でクラスター(感染者集団)が県内発生する恐れもあり、医療機関は持病がある人たちの重症化を避けるためにも、適切な時機での受診を呼び掛けている。

 県内の感染症指定医療機関の一つで、新型コロナの感染者を受け入れた県医療センター好生館(佐賀市)。正面玄関では職員が来院者の検温を行い、感染者が出ている首都圏などとの往来の有無を尋ねている。

 4日には、感染者を受け入れた病床や感染防止策を報道陣に公開し、万全の態勢をアピール。そこには、コロナ感染拡大時の対応を伝えるだけでなく、他の疾患の患者に適切な受診を促す狙いもあった。

 好生館によると、4月の患者数は延べ1万1718人で、前年同月に比べて約2割も減少。「数億円単位の影響があった」(担当者)という。

 4月に事務員の感染が確認された国立病院機構嬉野医療センター(嬉野市)でも患者数が減少。院内感染がないことを確認し、外来診療などを再開したものの、5月は患者が激減した。担当者は「高齢者の通院が多いが、感染を懸念する家族が受診を止めていたようだ」とみる。

 佐賀銀行には、新型コロナの影響で、5月下旬までに医療機関などから資金繰りの相談が約200件寄せられた。受診控えでの患者減少や感染症対応の設備投資で経営が苦しくなったとの内容が多いという。

 県内では新型コロナの新規感染者が1カ月以上確認されておらず、6月に入って好生館には少しずつ患者が戻っているという。ただ、いつ流行の第2波が県内を襲うか分からない。

 好生館は「コロナの感染を恐れるあまり、がんや心臓病などの患者が治療の最適な時機を逸してしまう。必要以上に怖がらず、安心して受診してほしい」と呼び掛けている。

(金子晋輔)

 

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